2017-10

静物画なんて描いたことない

電車を降りて西友に寄ったら、
なんだか柿がうまそうに見えて、バナナにも惹かれて、
思いきって柿とバナナを買うことにして
なんだか、これから静物画を描く画家みたいだねと思っていたら、
店内ではバフィセントメリーの『サークルゲーム』が流れてる。
高校時代に観た映画『いちご白書』の主題歌。
柿とバナナ、おまけにいちご。とてもフルーティな夜です(笑)。

ニュースに飽きたのでジム・ジャームッシュの
『パーマネントバケーション』を見ながら夕食。
『いちご白書』はコロンビア大学(だっけ?)での学戦紛争を描いた映画だったけど、
あの学園紛争に参加して暴れ回っていた人々の
その子供だか孫だかが、『パーマネントバケーション』の冒頭の、
ヘンなダンスを踊る青年になるのだなあと思いながら食事をする。

最近はジム・ジャームッシュがひそかなマイブームです。
ずっと前に観た作品を順番に見返しています。
『コーヒー&シガレッツ』や『ストレンジャー・ザン・パラダイス』も好きだけど、
ちっとも評価されていない『ナイト・オン・ザ・プラネット』も好きです。
まあ、評価されないのはわかるけど。

ときどき無性に見返したくなるジム・ジャームッシュの映画。
ときどき無性に読み返したくなるレイモンド・カーバーの小説。
このふたつは全然似てないけど、でも、これらに再会したくなる時、
ぼくは多分「余計なものを捨てたがっている時期」なのです。

身軽になりたい、シンプルになりたい、単純に生きたい。
そんな時期なんでしょうかね。

稽古中の『月はゆっくり歩く』も、あまりゴテゴテしたくない、
すっきり、あっさり、そんな芝居にしたい。
ああ、そうか、そんな潜在的願望があるんだろうか。

でも、今度の芝居は、なんだか作っていて楽しい。
ちょっといつもとは違う楽しさ。愉快。
この感じが芝居にうまく反映されればいいんだけどな。

そんなこと考えながら、柿を食べる。
秋のかたまりを食べてるような感じ。
あ、明日は早番です。





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ソワレは猫の名前

人手不足のために毎日仕事が忙しくて、
帰宅するとしばらくは何もしないでボンヤリ寝転ぶ時間が欲しい。
昨夜はそのままソファで眠ってしまい、体が痛い朝。

そういえば深夜に地震があったなあと思ったら、
不安定に積み上げてあった本が崩れていて、
安部公房の『燃えつきた地図』が床に転がってました。
これ、こないだ読みたくて、でも部屋の中で発見できなくて、
わざわざ本屋で新しいのを買ったのに、地震でポロンと。
まるで「ほら、新しいの買わんでも、ここにあるやんけ」みたいな。

ポロンと落ちてる文庫本を見て、
エラリー・クイーンの『フランス白粉の謎』のラストシーンを
なぜか思い出しました(笑)。きっと、こんな感じ。
やれやれ、日常生活はこんなふうにして進んでいきます。

そんな毎日の中での小さな癒しは、ソワレ。
猫の名前です、勝手につけた名前。野良猫ソワレ。
すごくなついてくれて、道で会えば「モンプチくれ」と近づいてくる。
ソワレはきっと、ぼくのことを「モンプチ」と呼んでるはず。

いつも出会う場所が決まっていて、そこを通って帰るのが楽しみです。
近所に住んでる役者木村香織もソワレと仲がよくて、
ソワレは毎日どちらからかゴハンをもらう生活。いいなー。
べつべつのふたりの人間からゴハンをもらう生活。憧れる。
たまに木村香織さんとふたりでソワレの前に現れると、
「あれ、なんでこのふたりが一緒におるんや?」みたいに混乱するソワレ。
不倫がバレた芸能人て、こんな感じ?
まあ、ソワレは芸能人みたいにヘタな言い訳はしませんが。
ソワレのゴハン代を稼ぐためにも毎日がんばって働かにゃあね。

さて、『月はゆっくり歩く』の稽古が始まっています。
とても良い座組み。みんなイキイキしていて、
おしゃべりが絶えない、いい意味で。こういうの、好きです。
心地よいカオス。何か良いものが生まれてきそうな気配。
キャスト7人のうち、初参加6人という構成ですが、
初参加とは思えない濃厚な空気が漂っています。
はい、脚本がんばって最後まで仕上げます。

今回は「見えるはずのないものが見える人々」の物語。
設定が、ややファンタジック? 
どちらかといえばリアリティ追求型のノーチラスとしては異色かも。
でも、かつてはけっこうファンタジックな設定の話もやっていた。
『月光インク』とかね。あとは……『月光インク』しか思いつかないけど。
あ、『金の夜・銀の森』も、そうかな?

「見えるはずのないもの」とは、「もうひとつの月」です。
火星にはふたつの衛星がありますが、
地球の夜空に、もしも2番目の月が見えていたら?
物語がどこに着地するのか、ぜひドキドキしながらご覧ください。

初日は11月23日、祝日です。
今回は11回も上演するので、選択肢は多いです。
ただし、いつもより席数が少ないので、ご予約はお早目に。

できることならソワレにも見てほしい。猫割引で。

これから寒くなるけど、ソワレは、そして野良猫、野良犬たちは、
どこでどうやって冬を過ごすのか? それが気がかり。













同義語

冷蔵庫のブーンという音を聞くたびに、
この世界には完全な静寂というものは存在しないのか?
と思います。冷蔵庫ってうるさい機械だなー。
でもって、こういう人っているよね、いつもブーンて。

さて、1年に1回くらい必ず読み返す小説がいくつかあります。
今日は吉田和子『お供え』を読み返してました。もう何回目?
何度も読み返したくなる小説って、なぜなんだろう?

眠い頭で仕事しながら考えていたのですが、
やはり思うのは「魅力的な謎」を読みたいのだ、
答えが欲しいわけじゃない、正解はいらない、
大事なのは問いかけのほう、謎のほう。

あ、そうか、小説も映画も芝居も何でも、
「答え」を提示するものではなく「問いかけ」を表現するものだ。
あー、なるほど、そうか。

たとえばプッツアーティの『神を見た犬』にしても、
坂口安吾の『白痴』にしても、三島の『真夏の死』にしても、
何度も読みたくなるのは「魅力的な謎」。

「正解」を確認したくて読むのではなく、
「あらためてもう1度問い直そう」という気持ちで読み返しているのだ。
あー、きっとそうだ、なるほどなるほど。

朝の眠い目をこすりながら『お供え』を読んで、
久しぶりに「問い直したもの」。それは何だったのか?

きっと生きるというのは、人生のいうのは、
「問いかけ」の連続なんだね、だからだね。
だから「魅力的な謎」を手放すことができないのだ。
それは人生というものを手放せないのと同じように。

てことは、「人生」と「魅力的な謎」というのは同義語?

……なんてなことを考えていた1日でした。





次回公演の情報解禁です

誰かの顔色をうかがうでもなく、何かに媚びるでもなく、
やりたいことをやろう、後悔しないために。

そんな気分の2017年9月20日、
次回公演の情報解禁となりました。

今日という日は、たった1回だけ。
人生も、やっぱり1回だけ。



シアターノーチラス♯24

『月はゆっくり歩く』

作・演出■今村幸市
2017年11月23日(木)~28日(火)

きみに見えるものが、ぼくには見えない。
ぼくに見えるものが、きみには見えない。
それでも一緒に生きていくのだとしたら。

■cast
北村とうこ
鈴木響
竹田真季
山岸香菜
渡辺航
石田茜子
小玉賢太

■staff
作・演出/今村幸市
照明・音響/studio205
美術/螺旋天国
宣伝美術/高尾静(空空-karakara-)
WEBデザイン/三上真由・木村香織
企画・制作/シアターノーチラス
■ticket
前売り・当日/2000円
■time table
2017年11月23日(木)~28日(火)
23日(木)         19:00
24日(金) 13:00     19:00
25日(土) 13:00     18:00
26日(日) 14:00     18:00
27日(月) 14:30     19:00
28日(火) 14:30     19:00
*受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前になります。
 なお、上演時間は90分の予定です。
■カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/nautilus24
■メール予約
theaternautilus.2007@gmail.com
■新宿眼科画廊(東京都新宿区新宿5-18-11地下/
東京メトロ・都営新宿線 新宿三丁目駅より徒歩7分、
JR・地下鉄私鉄各線新宿駅より徒歩12分)

新宿眼科画廊で待っております。







ゆっくり、ゆったり

毎日いろいろなことが起こります。
昨日は楽しかった職場が今日はすごく居心地悪かったり(笑)。
アップダウンの激しい自分と生活。
でも1日の終わり頃には、ふと思い返す。
「あんなにあれこれあったけど、過ぎてしまえば、おだやかな1日だった」
何があっても、少し距離を置くと、小さな振り幅でしかない。
ま、そんな日もあるよね、で終わらせてしまえる。

それでいいや、そうしよう。明日が楽しみ。

ここ10年くらい、なんか激しい日々だったせいか、
今になってみると、ホンワカした気分でいたいと思います。
大きなアップダウンに見えることも、1日の終わりには帳消しです。

満員電車に乗るのがイヤで、毎朝、早く家を出ます。
「その時間には絶対に出なきゃならない」というのと、
「そんなに早く出なくてもいいけど、自分の自由意志で早く出る」とでは、
気分がまったく違います。義務ではないって、なんて気分いいんだろう!

誰もいないベンチでコーヒー飲みながら本を読む早朝の時間が、
とてもゼイタクです。とてもいい1日の助走。
仕事はハードですが、頭の中で、
「これをやり続ければ、これからも芝居を続けることができる」
そう思うと、なんかがむしゃらに頑張れます。単純です。

「芝居のため」というのを、すべての言い訳にしてる今は、
それはそれで幸せだけど、いつか芝居を辞めることになったら、
そのときは何を理由にして生きていけばいいのだろう、
そんな不安も頭の中のどこかにあります。
あるけど、ま、先のことは先のこと、その時に考えよう。

逆に、もしも今、芝居をやってなかったら自分は何をしていただろう。
そう思うと、なぜかゾッとする。何も思いつかないから。
このゾッとする感じ、わかってもらえますか。

井上陽水の古い曲に『人生が2度あれば』というのがあります。
老いた両親の姿を見ながら「もしも人生が2度あれば」とつぶやく息子。
もしも2度目の人生があれば、人は1度目とは全然違う人生を生きる?
それとも、気がつけば1度目と同じ人生を生きている?
どっちなんだろうな。
最近よく考えます。

それは、次の芝居『月はゆっくり歩く』が、
どこかでそんな感情とつながってるからかもしれません。
もうひとつの人生、もうひとつの世界。

「月」が象徴するものを、頭の中でこねくりまわしながら
脚本を書いています。

ちなみに、書きながらよく聴いてるのは坂本九。
『上を向いて歩こう』や『見上げてごらん夜の星を』などなど。
それに井上陽水も。『最後のニュース』とかね。

いろんなことがあった1日。
でも、何千日、何万日の中の、その、ほんの1日。
いろんなことがあったように思えるけど、
じつは、なんにもなかった1日。

1日の最後には、だれかと、ささやき声で会話を交わして、
それからゆっくり眠りたい。

『月はゆっくり歩く』
ぼくたちも、ゆっくり。









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