2011-07

人間ではなく人類

毎日いろんな方の訃報がありますが、
それほど気にとめたことはありません。

でも昨日は珍しく、ある訃報に「え?」と動揺しました。
小松左京さんです。

中学時代に夢中で読んでいた和製SFの作家。
10代前半の僕の読書体験の中で最も印象深かったのは、
ジョン・スタイベック、井上靖、そして小松左京でした。

どれも分厚い本だったけどアッという間に読み終えた。
『果てしなき流れの果てに』『継ぐのは誰か?』『復活の日』…
中でも『継ぐのは誰か?』は大好きでした。
人類の後にこの世界を引き継ぐ存在は何なのか?
という壮大なテーマに、中学生の僕はめまいがしそうだった。

SFかミステリーかといえば僕は断然ミステリー派でしたが、
なぜか小松左京だけは、SFという感覚もなく読み耽っていた。
過去を描く歴史物ではなく、未来を描く歴史物みたいな感じ。

宇宙とか、人類(「人間」ではなく)という言葉にひそんでいる
奥深い「何か」について、思春期の僕に考えさせてくれた人、
といえば大袈裟? いや、ぜんぜん大袈裟ではないです。

僕のまわりにいた友達の中では、
星新一派か、筒井康隆派か、小松左京派か?
なんて話を時々してたけど、僕はいつも小松派。

ひととおり小松作品を読み尽くすと、
いつの間にかSFそのものからは離れてしまったが、
でもたまに『影が重なる時』とか『地には平和を』などの短編を
図書館から借りて読み返したりしてました。
おとなになってから短編の良さもわかってきた気がします。

そういえば、中学時代は大嫌いな数学の授業中なんかに
こっそり読んでたっけ。

今ふと気づいたけど、もしかしたら、
井上靖に「過去」を学び、
スタインベックに「現在」を学び、
そして小松左京に「未来」を学んだのかも。

いやあ、キレイにまとめてしまいましたが、
これはあまりアテにならんな。

明日、久しぶりに図書館で
『継ぐのは誰か?』を借りようかな。
中学時代の自分に会えるかもしれない。


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