2016-05

永遠に続く5月

『紙の方舟』が終わって1週間が過ぎました。
公演中に予想外のいろんなことがあったので
終わったあとの空虚感と脱力感がいつも以上に大きくて、
この1週間はなんだかフワフワしていました。

それでも、「やりおおせた」という達成感だけは間違いなくて、
スカッと爽快な気分。
ぼくにしては珍しく、気分は「快晴」です。

芝居については、「いつも以上に良かった」「またぜひ観ます」という人もいて、
「今回はダメだ」「おもしろくない」という人もいて、
その両極端な感想が「いかにも」な感じがして楽しくもあります。

賛否両論な意見を聞きながら思うのは、
「つまりは、誰に媚びることなく、自分がやりたいことをやり尽くしたのだ」
という確信。「これだ!」と思うことを一心不乱にやる、ただもう、それだけ。
これからも、きっとぼくは、そうしていくのだと思います。

とてもうれしく、幸せに思ったのは、内容のせいもあって、
多くの御客様と、まるで「対話」しているかのような空気があったこと。

それは演劇というものの本質だとも思います。
劇場というひとつの空間の中で、役者と観客が同じ物語を共有する、
そしてそこに「対話」が生まれる。いや、べつに演者と観客とが
実際に言葉を交わすということではありません。

演者がリアルな物語を演じて、それを観た観客が、
自分自身の中のリアルな何かで反応する、
その作用と反作用との関係が、まさに「演劇」なのだと思います。

そういう意味で、『紙の方舟』はとても幸福な公演でした。
あらためまして、観客の皆様、そして演者の皆様に、
心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

昨日はひさしぶりに休日らしい休日でした。
映画を観て、公園で過ごし、街を歩き、
「次」のことを考えたり、もっと先の未来のことを考えたり。

不安や心配は山ほどあります。恐怖さえもあります。
しかし、雑踏の中を歩きながら思うのは、
ぼくには他者と会話する術がある、ということ。
演劇という名の「言葉」を通じて、ぼくは他者と会話できるということ。

演劇というものを通して、ぼくは不特定多数の人々に
これからも何かを語りかけるはずです。
返事がかえってくることもあるだろうし、
かえってこないこともあるでしょう。

いずれにしても、ぼくは演劇という「言葉」を通じて、
多くの人たちと何かを交わし合うのだと思います。
そのことを確信した公演でした。

快晴です。
このスカッとした気分。
まるで、永遠に続く5月です。

こんなことを書きながら、
じつは、次の9月公演の準備が始まっています。
ワークショップの告知も出しました。

いやいや、その前に、来週ですが、
15分のふたり芝居だけを集めての演劇祭に参加します。
久しぶりの短編です。15分という尺は「劇団劇場」以来です。

何があろうとも、
この快晴がいつまでも続きますように。
いや、たとえ曇っても、雨が降っても、
またいつか快晴の空がやってくることを、
今のぼくは、十分に知っています。


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