2016-06

映画を観てました

帰宅してから考え事をしていたのですが、
何もいいアイデアが浮かばないので、
映画を観てました。
いくら考えても無駄なときは全然違うことするのが良い。

映画は『ロスト・イン・トランスレーション』、
フランシス・フォード・コッポラの娘ソフィアが監督です。
これは、ぼくがときどき無性に観たくなる映画の1本です。

ときどき無性に観たくなる映画はいくつかあります。
結果的に何度も見返しています。
シュレンドルフの『ブリキの太鼓』や黒澤明の『野良犬』、
フェリーニの『そして船は行く』、ゴダールの『女と男のいる舗道』、
そしてもちろん、ルイ・マルの『死刑台のエレベーター』などなど。
『ロスト・イン・トランスレーション』もそんな1本。

なぜこの映画をときどきたまらなく観たくなるのだろう、
その理由は言葉では説明できない、
ただ、この映画を観たくなるような気持ちの形をしているのでしょう、多分。今。

じつは舞台は東京です。
CM撮影のために来日したアメリカの映画俳優(ビル・マーレイ)と、
たまたま同じホテルに滞在していた人妻(スカーレット・ヨハンソン)の、
数日間の出会いと別れが描かれます。
こう説明すると安っぽいメロドラマみたいですが、そうではない。

ふたりに共通するのは断絶、無理解、孤独といった言葉で説明されるような、
人間の、どうしようもない寂しさです。

東京の地で、日本語のわからないふたりは、さまざまな形で無理解と孤独を感じます。
それはそのまま、それぞれの配偶者や家族との距離感に重なります。
これほどまでに「孤独」というものを切実に描いた映画は、
ほかにあまり観たことがありません。

ふたりは異国の地で何時間も一緒に過ごしますが、
べつに恋に落ちるわけではなく、当然、肉体関係もありません。
ただ、お互いの時間を埋めながら、微妙な距離感を保つ。

切ないのは、お互いにひかれあってる理由が「寂しさ」であるということに、
ふたりはなかなか気づかないこと。

同じような質の寂しさを抱え込んでいるふたりが、
でも、そのことに気づかないまま、相手を求める。
その姿に、なんともいえない気持ちになります。

いや、こういうことはあまり言葉で説明しても仕方ない、
まだ未見の人がいたら、ぜひオススメします。

今、この映画を観たくなったのは、自分の中に、きっと、
何か説明のしようのない寂しさがあるからなんだろうか、
そんなことを思いながら観てました。

観終わったあとの部屋が、やけに静かです。



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