FC2ブログ

2019-05

最近こんなバンドの

この時期、選曲のためにいろんな音楽を聴きますが、
最近よく聴いてるのが「Spangle call Lilli line」。
スパングル・コール・リリ・ラインと読むらしい。

きっと、透明感とか浮遊感とかいうような言葉で
形容される音楽なのだろうけど、
面白いのは、初めて何の予備知識もなく聴いたとき、
邦楽か洋楽か、よくわからなかったこと。

じつは日本人のバンドなのですが、歌詞が独特で、
耳に届く音が、日本語か英語か、そのほかの言語か、
一瞬では判断できないような感じ。

というのも、歌詞として並ぶ言葉が、とても抽象的で、
何も説明してなくて、ただもう「音」だけでつないだ言葉の羅列。
たとえばですね、こんな感じ。

「由来霍乱の照り足す目に写る 言わず 非
 よぎった中庸の連みたいトゲに巻く組み替えし
   
 ある企んだ窓に転がる風樹描く まつげに響く
 据膳待つパス片手に心踏襲 触れたコード いつもそば」

文字にすると「?」て感じですが、
旋律に乗せて耳で聴くと、なんとも気持ちいい。

意味がありそうでなさそうな歌詞といえば、
桑田佳祐や井上陽水なんかも有名だけど、
ああいうのよりももっと投げやりで徹底した感じです。

で、ある瞬間から、意味を追うことをやめて聴覚だけになると、
なんだか、ふんわりしてくる。「ああ、日本語の音だなあ」って感じ。
意味を追い求めることの無意味さに気づいて、
すべてを感覚にゆだねる感じ。ふむふむ、なるほど。

ぼくら、言葉の意味によって気持ちよくなったり何かを考えたり、
知らない世界に触れたり何かを思い出したりしている、
そう思いがちだけど、いやいや、そうじゃない、
もしかしたら、言葉がもたらす「音」だけで、
ぼくらは感覚を刺激されているのかもしれない。

ずっと前、イギリスで芝居作ってた野田秀樹が、
「日本語を理解しないイギリス人には、
日本語の会話は、音としてこう聞こえてるんじゃないか?」と言いつつ
母音を多用したよくわからない音の羅列を口にしてたけど、
(あ、これはもちろん、ジョークとしてですけど)
ちょっとあれを思い出した。

あるいは、もしかしたら、昔、かなり大昔の、
まだ日本語の原型ができる時代の日本人は、
こんな感じでしゃべってたんじゃないだろうか?

あいまいな音の羅列、そこから言葉の意味が少しずつ形作られる、
その過程のような感じ? いや、これも勝手な想像ですけど。

まあ、なんというか、言葉というものを、
ぼくらは「意味」と結び付けて、
あるいは「意味」を伝える道具として考えがちですが、
いやいや、「音」というものがもたらす効果を、
あらためて思い出させてくれるアーチストです。

最近のオススメ。

あ、もうひとつ忘れてた。
これ聴きながら、演劇でも、こういうことやれないかな?と思った。
つまり、「言葉の意味」を排して、「音」だけで成立する演劇。

いや、もう、どこかの劇団がやってるのだろうけど、
言葉の「音」だけで、なにか劇的なものを生み出すのいうのは、
ちょっとそそられるではないですか?








スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/1025-3ca5002b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示