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2019-02

今日は夏至

夏至、という言葉の響き、なんだかいいですね。
「暑さ」と「明るさ」をまとう言葉のはずなのに、
どこかに「不安」と「翳り」がある。

「何かが起ころうとしている」みたいな悪い予感を感じる言葉です。
ぼくだけですかね、そんなこと感じるのは。

世間を騒がしている『絶歌』を買ってはみたものの、
一気呵成に読むという感じの本でもなく、
ケン・リュウ『紙の動物園』や絲山秋子『不愉快な本の続編』の合間に
少しずつ、わざと苦い葉を噛みしめるような気分で読んでます。

前にも書いたように、ぼくはこの本は「出されるべき本」だと思っています。
回収要望が出されたり、「売らない」宣言をする書店があったり、
そういう周辺で起こるいろいろな反発なども含めて、全部ひっくるめて、
この本を取り巻く現象すべてが、あの事件を知るすべての日本人が、
「いやでも通らなければならない道」のような気がします。

もっと言えば、あの本の内容や書き方について
何らかの「評価」を下そうとする人も大勢いますが、
そういうことをどうのこうの言っても仕方のない本だと思います。

大事なことは、あの本が出たことで、
「あの事件はまだ終わっていない」ということが、
いろいろな角度からあらためて証明された、ということです。
「何がどうなろうとも、けっして終わらないものがある」ということを
あらためて気づかせてくれました。ともかく、ともかく読みます。

さて、『水槽』です。
稽古、進んでいます。

家族の物語ですが、ひとりひとりが少しずつ呼吸を始めています。
そして、ぼくにとって、とても大切な芝居になるような気がしています。

魔がさす、という言葉がありますが、
今回の芝居のテーマのひとつが、それです。

人間はつねに正しいわけではない、
つねに後悔せずに生きているわけではない、
いや、むしろ、まったく予期せず、とりかえしのつかないことをしたり、
直前まで思ってもいなかった言葉を突発的に口にして、
そしてすべての状況を台無しにしてしまったり。

それもまた、重要な人間の本質なんだと思います。
そんなことを考えながら、稽古しています。

この世の犯罪の多くは、それをやった犯人の側からすれば、
「魔がさした」ようなものかもしれない。
しかし、まわりは絶対にそうは思わない。

真理はどこにあるのだろう。

きっと面白い芝居になります。
あのこじんまりした地下のスペースにふさわしい物語です。
本番がとても楽しみです。

稽古のあとの飲みの席だけでなく、
稽古場でも、稽古の合間にも、みんないろんなことを話しています。
そんな芝居です。

『水槽』、明日も稽古、とても楽しみです。











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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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