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2019-07

ひそかに見つめるもの

6月あまりブログを更新しなかったのは、
脚本に思った以上に手間取ってしまったから。

でも、やっと第1稿が終わり、スッキリした気分の朝です。

ノーチラスらしさというのが、どういうものかわかりませんが、
「ノーチラスらしい」と言われたのは本望です。
こんな芝居をやる劇団がひとつくらいあってもいい。

九州で生まれ育ったぼくにとって、海とは
青い絵の具のチューブを思いきり絞って出した、
濃厚な原色の青。恐ろしいくらいの、青。

「きれい」という言葉では表現しきれないものが
たくさん混じり合って、深みに誘うような色です。

「もしも、自分の心を形にして取り出せるとしたら、
どんな形で、どんな色で、どれくらいの大きさ、重さで、
どんな素材、どんな手触り、どんな匂い、どんな温度で……」

もしそんな質問をされたら、
ぼくの心は、ちょうど両手いっぱい分の海の水をすくい上げたような、
形の無い、でも深い青色で、冷たく温かい、そんなものだと答えます。

ある家族が、海に出かけようとする直前の、朝の会話劇。
それが『水槽』です。
家族は8人、なのに、8人ではない。

心のありようは、その時その時でまったく異なる。
この家族ひとりひとりの心のありようは、
今、どんな形、どんな色、どんな……なんだろう。

サリンジャーが書いたグラース家の連作物語、
あるいは『ナインストーリーズ』、
そしてもちろん、大好きなレイモンド・カーバーの短編たち、
そんなものを思い浮かべながら書いた脚本です。

そしてその物語を、8人の役者さんたちが、
真剣なまなざしで見つめています。
小さなセリフにまでこだわるその姿勢に、
こちらも背筋が伸びる思いです。

本番まで約1か月。
海の一番深いところをのぞき見てるような、
そこに何があるのか、じっと目を凝らしているような、
そんな芝居にします。

そして、本番が終わったら、
本当の海を見つめにいきたいと、
ひそかに思っています。







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プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

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