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2019-02

再び「王国」をやるということ

やらなきゃならない原稿仕事があるのに、
昨日は本屋でまとめ買いをして
帰りにゴダールの『勝手にしやがれ』を借りて、
柿の種で夕食しながらJ・P・ベルモンド観てた。

今さらながら再演の難しさに頭の中が混沌としています。
『その王国の夜は明けない』はかつて1度やった芝居ですが、
再演するにあたって、前と同じにはしたくない。

というか、あの時の自分と今の自分とでは、
この脚本のとらえ方が、まったく違う。
だから、全体的に大幅に手直しするつもりだし、
芝居そのものが根本的にまったく変わる気がします。

といっても、最初からそう考えていたわけではない。
あらためて脚本を読み直し、映像を見直してみて、
これを再演するというのは想像以上に大変な仕事だと気づいた。

今の自分の芝居に対する考え方は
これの初演の2010年11月とは、びっくりするほど違うのだということを
あらためて感じています。

群像劇というもの、会話というもの、人間というもの、
それから物語というもの、いや、物語性、かな?

予定されたものに向かって傾斜していく群像ではなく、
まったく想像もしなかったものに向かって傾斜していく群像。
ただもうそれひとつとっても、芝居の構造がまったく変わる。

あのときの自分はいったい何を考えて芝居を創っていたのだろう、
などと、あらためて思い返しています。
人間とは? 会話とは? 言葉とは? 肉体とは?
あのころ薄ボンヤリしていたものたちが、
5年間の時間の長さを身にまとい、僕をせっついてくる。

いや、もちろん、初演の「王国」があってこそ、
今度の「王国」がある。それは間違いない。

でも、ありきたりな言い方だけど、
本当に初めて創る芝居、という気持ちで向き合わなければ、
これはもう、とてもじゃないが成立しない。

そんなことを考えていたら、
かなり緊張してきた。

あー、早く稽古が始まらないかな。

今、自分の生活が、足場が、人間関係が、
一体どうなっているのかさっぱりわからない、
下を見たら、あるはずの地面がなくなってるような、
そんな不安で曖昧な毎日。

そんな中で、芝居だけはガッチリした手触りを感じたい。

もう1度書きます。
あー、早く稽古が始まらないかな。

現実世界ではなく、稽古場という架空の物語を創る場所に、
生きている実感を求めているという、この不思議なジレンマ。
まさに生きるとは「メビウスの輪」です。

現実は物語につながり、
物語は現実に戻ってくる。

人間は、そんなメビウスの輪の上でチマチマ歩く、
小さな蟻んこみたいなものじゃないか。

蟻、歩きます。どこまでも。







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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