2017-10

あの日観た満月

予定では今頃は原稿仕事も終わって
3月公演に向かってバリバリ準備しているはずだったのに、
図鑑原稿はまだ終わらず、おまけに風邪をひき、
あーなんだコリャみたいな日々です。

しかしそんな中、先週末はワークショップでした。
今回もとてもよい出会いに恵まれて、
おかげで気持ちは明るく前向き。
ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

次回公演は、東中野RAFTで、来年3月14日(火)から19日(日)。
『どこか遠くへ行く日』という短編集をやって以来のRAFTです。
まだ先のことだけど、早く稽古を始めたい。
気が早いけど、初日が待ち遠しい(笑)。

ところで平幹二郎さんが亡くなりましたね。
それで「ああ」と思い出したのは、築地本願寺で観た『オイディプス王』です。
蜷川幸雄演出の野外劇を、土砂降りの雨の中でじっと観ていた、
あの20代のある日の体験に心を揺さぶられて、
今ぼくは東京の片隅で小さな無名の劇団を作り芝居をやっています。

オイディプス王を演じた平幹二郎、そして女王を演じたのはギリシャ人の女優さん。
不思議なことに平幹二郎は日本語で、ギリシャ人の女優はギリシャ語で、
それぞれ演じている。二か国語芝居。だから内容がはっきりわからない。
それでも服を通して雨水が体を濡らすのもかまわず、じっと見ていた。
あのときの痺れるような静かな興奮は何だったのだろうと思います。

テレビや雑誌で蜷川幸雄の仕事を振り返る企画があっても、
あの『オイディプス王』のことはあまり触れられません。
もしかしたら、そんなに評価されてないのかもしれない。
しかしそんなこととは無関係に、あの芝居は、
ひとりの名も無き男の、才能も金も無い凡人の、その人生と生活を、変えた。
その事実だけは、今、こうして残っています。
演劇とはそういうものなのだと思います。

今年は蜷川幸雄さんも亡くなりました。
あの『オイディプス王』を観たぼくは、今もせっせと芝居作ってます。
築地本願寺を照らしていた、巨大な人工の満月を、
今もよく思い出します。
あの満月を、いつか、ぼくの芝居にも掲げたい。

大勢の人々に惜しまれて世を去った偉大な演出家と偉大な俳優、
そのふたりに芝居の魅力を叩きこまれた、ひとりの無名の凡人、
ひとりの市井の人は、芝居をやれることの幸せを噛みしめて生きてます。

ああ、今日は空が青いなあ。
空が高いなあ。
死んだ人は、どこに行くのだろう。

今日はこれから原稿仕事。たっぷりコーヒー飲みます。
あ、今、とても興味深い本を読んでます。
あの、都立松沢病院の院長先生の本ですが、
これについては、また今度。
お湯が沸きました。





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