FC2ブログ

2018-11

フィルターの色

さすがに年末はライター仕事が続き、
今夜は苦手ジャンルの原稿に四苦八苦。
まあ、ある意味12月らしい12月です。
とりあえず今夜はもう仕事はやめよう。
「年末進行」という、出版業界の人間が恐れる言葉を、
もう何度聞いてきたのだろう。業界の風物詩。

この仕事が終わったら3月公演の脚本を書きあげるつもりで、
頭の中にいろいろな場面を思い浮かべています。
良作か愚作かなんて考えない、
頭の中でスクスク育つ物語が思いどおりの形になってきて、
役者たちがイメージの中で動き始める。

好きな物語を描こう、欲といえば、ただそれだけ。
それだけで十分なような気がします。

なぜ芝居をやるのか、
なんのために芝居にこだわるのか、
その問いかけも少しずつ意味が変わってきて、
今さらのように、芝居を辞めようと思えば、いつでも辞められる、
その気になれば明日からは芝居のことなど考えないで生活する、
そんなことも不可能ではない、ということを思い返してみて、
でも、「だったら、そうするのか?」と自分に問いかければ、
やっぱり「いやだ、芝居を続ける」としか答えようがない。

走り続けるバスから降りる気はない、
バスがたどり着いたところに、きっと答えがあるはず。
それを見届けるために、バスは走る、走らせる。
それがもう、自分の呼吸というか、生命活動というか、
だからきっと、バスが着いたら、そこで息するのをやめる、死ぬ、
そんな気がしています。それでいいのだと思う。
バスが着いたら、誰か、ぼくのスイッチを切ってください。

昨夜寝る前に、録画してあった中上健次の特集を見ていました。
中上健次の娘さんが、父親が残した録音テープをもとに、
父親が生まれ育った場所を訪れる。

被差別部落で生まれた中上健次がインタビューしたのは、
同じ被差別部落で生きる老人たち。
小説によく出てくる「オリュウノオバ」のモデルになった老婆の顔、
初めて見た、ああ、これがオリュウノオバか。

社会の最下層と決めつけられ、貧困と孤独の中で生きた部落民たち。
そこから生まれた小説家である中上健次の作品に、
どうして自分はひかれるのだろう、と思っていたけど、
その番組を見ていて、ほんの少しわかった気がしました。

想像を絶する貧困と、世間からの隔絶感、
その現実を抱えても生きていくしかなかった命、
一度生まれてしまえば、死ぬまでは生きるしかない、
その当たり前のことを、今さらのように痛感する。

いろんな人がいて、いろんな人生があるな。
何があっても愛したい、でも、それは言うほど簡単じゃない。
たくさんの幸福と、たくさんの不幸を経験してきたけど、
いつも、すぐそばに誰かがいたっけな。

いろいろなことを思い出しました。昨夜。寝る前に。
それはみんな、灰色のフィルターがかかっていました。

あ、それからですね、
3月公演のタイトルが、HPに掲載されました。







スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/1126-77c36c3b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示