2017-10

孤独の観察

『孤独の観察』が終わりました。
劇場に足を運んでいただいたお客様、本当にありがとうございました。
そして、この脚本と2か月間格闘していただいた役者の皆さん、
公演を支えていただいたスタッフの皆さん、
あらためまして御礼申し上げます。
本当に本当にありがとうございました。

打ち上げが終わって深夜に帰宅し、シャワーを浴びる元気もなく、
ソファで眠り込んでしまい、さっきやっと汗を流しました。
ひとりで目を覚まし、あ、今日はもう劇場に行かないんだ、と思ったら、
なんだかひどく「孤独」を感じました。
今日からまた、この街で暮らすひとりの人間として日常生活が始まります。

九州の田舎で生まれ育ったぼくにとって、
東京は、孤独な人間の集積です。
これだけの人がひとつの場所に住んでいるのに、
それはあくまでも「小さなひとり」が集まった集合体でしかない。
その不思議な感覚は、東京に来て以来ずっと同じです。

今回の脚本には、そんな東京への思い、
「都会」というものへの不思議な感覚が反映されていると思います。

たとえば、すぐとなりの部屋で犯罪が行われていても、
それはどこか遠い場所で起こった出来事のよう。
すぐ隣を歩いてる人がいきなり殺されても、
どこか別の場所で起こった殺人のよう。

まあ、実際にはそこまで極端ではないでしょうけど、
なんだかそんな感覚があります。それがぼくにとっての「東京」です。

じつは脚本を書き始めた当初は『孤独の研究』というタイトルにしていました。
ある理由から『孤独の観察』になったのですが、
「観察」という言葉のほうが、「見る者」と「見られる者」との距離感があって、
しかも、冷静な目でじっと見つめている感じがして、
結果的にはよかったなと思います。

そんな『孤独の観察』は、2008年に起こった秋葉原の通り魔事件を、
ひとつのヒントにして書いた脚本です。
ネットでさんざん犯罪予告をしたにもかかわらず、
まわりに誰も本気で止める人がいなかったために、
犯人は暴走してしまい、あの悲劇が起こったとも言われます。
ネットの世界での人間同士の微妙な距離感は、
ぼくにとってそのまま、東京という大都会で暮らす人間の距離感と重なります。
それが今回の物語にうまく影を落としていればいいいなと思います。

少なからぬ人に「今までのノーチラスの中で一番救いのない話だ」と言われました。
「今までで一番わかりやすく見やすい話だ」とも言われました。
そのへんは、じつはあまり考えていなかったのですが、
ただ、「一番ありそうな結末、一番、現実味のある結末」にしよう、そう思ってました。
毎度のことながら、賛否両論ありますが、
「ノーチラスらしい芝居」だったと思います。

観ていただいた方の心の中に、
何か小さな小さなものでいいので、
残っていたらいいなと思います。

じつは今、エンディングで使った曲を聴いています。
一度は別の曲に変更したのですが、
役者さんたちの多くが「こちらの方がいい」と言った曲です。
だから、みんなのセレクトです。

大勢の皆さんに感謝の気持ちです。
本当に、ありがとうございました。

『孤独の観察』、これにて終演です。







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