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2018-11

何だってくれてやる

毎日の病院仕事は本当に忙しくて濃厚で、
クタクタになって電車でうとうとしながら帰宅すると、
今度は原稿仕事の締め切りがあって、
それを気にしながら脚本の手直しや稽古計画を考えて、
いつも何かでビッッシリ埋められている日常ですが、
それがとてもいとしく思えます。
ああ、今、生活してるなあ、という実感。

昼休みにはほとんどの人が病院の食堂に行くのですが、
昼休みくらいひとりになりたくて、吹きっさらしのテラスでパンをかじる。
スズメが近づいてくるのでパンくずをあげていると、
『火の鳥』鳳凰編の我王のような気分です(笑)。

我王といえば、なんとなく坂口安吾の『夜長姫と耳男』を思い出します。
耳男が、対戦相手のふたりの仏師を迎えるところとか。
いや、そもそも我王と耳男には、なんだか似てるところがあります。
何にしても、あれくらい無心になって何かに打ち込むことができれば、
きっとすごく幸せなんだろうな。無心になりたい。

あと、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』に出てくるお父さん、
あの人も同じタイプだな、きっと。ああいう人間に憧れます。

どうすれば無心になれるのだろう、知ってる人がいたら教えてください。
一度でいいから食べることも寝ることも忘れて、
物欲も恋愛も忘れて、自分の過去や未来も忘れて、
もうひたすら何かに打ち込んでみたい、
ずっとそう思って生きてきたけど、どういうわけか出来ない。
俗物なんですかね、いつも何かに引きづられている。

いや、芝居は、ぼくを忘我の境地にしてくれます、
というか、そうならないとやれないことだと思います。
でも、きっと全然足りない、何もかも忘れて一心不乱になりたい、
そう思いながら願いながら、死ぬまでこんな気分でいるんだろうな。

あー、だめだだめだ、おれは俗物だ。
我王よ、耳男よ、おれはどうしたらいいんだ?
いっそのこと仏像でも彫ってみればいいんだろうかね。

そんな逡巡の中で、着々と稽古が進んでいます。
『月はゆっくり歩く』。今夜の月は、かなりいい月です。
さっき月を見上げながら、芝居の中のあるセリフをつぶやいてみた。
そんな気分になる芝居です、そんな気分になる月です。

役に、少しずつ息が吹き込まれてきました。

この芝居のためなら、何だってくれてやる。
毎回そんな気分で作っています。
そして今回も、何だってくれてやる、何なら命だって、どうぞ。
そんな気分で作っています。

何だってくれてやります。















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プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

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