2018-06

14年も待っていたこと

大袈裟ではなくて本当に本屋さんに行くたびに必ず、
「新作はまだ出ないのか?」と思っていた。ずっと。長い間。いつもいつも。
その原尞の最新作が、ついに14年ぶりに出るらしいです。来月。

じつは去年、知り合いに「原尞は死んだよ」なんて聞かされてました。
「え? まじかよ、新作出さずに死んだのか」とガッカリしてたのだ。
生きてた、ちゃんと、よかった。しかもかなりの大作らしい、新作。
こうなりゃ、ついブログも書いてしまうねえ。

それにしても、早川書房、ミステリマガジンの「原尞読本」はいいにしても、
新作の第1章だけを先に掲載するって、どうなんだろう。
本を買って読みたいから、あえてミステリマガジン買ってないけど、
あー、正直気になるじゃないか。

14年前、4作目の『愚か者死すべし』を読んだ頃、
おいら一体何をしてたんだろう?なんて、ついつい考えてしまいます。
新作が出れば中身も見ないですぐレジに持っていく作家は何人かいるけど、
そんなふうにして誰かに読んでもらえるものを書くって、
本当にすてきなことだと思います。

次回公演の告知をしたら、すぐにチケット予約してもらえるような、
そんな芝居を作っていきたいものです。

最近は、もうひとつ楽しみがあります。
朝日新聞社が出してる黒澤明のDVDコレクション。
2週間おきに黒澤映画のDVDが手に入る。おお、なんてすごい時代なんだ。
え? こんなことしていいの?って気もするけど、なんかね、なんかね。

もうずいぶん前に、小津安二郎の名作のDVD9枚が、
1980円のセットで売られてるのを見て(『東京物語』も『麦秋』も入ってる!)、
「こ、こ、これは芸術の冒涜だ!!」と頭にきつつも買ってしまった(笑)、
そんなことを思い出しました。

黒澤明や小津安二郎の映画を個人で所有して好きなときに観る、
それって、やはり幸せなことなんだろうなあと思います。
いつでも『七人の侍』が観れるなんて、ちょっと不思議な感じ。

初めて『七人の侍』を観たのは、東京に出てきてすぐの頃。
後に火事で焼けてしまう京橋のフィルムセンターでのこと。
そんなに大きくないスクリーンでしたが、
日本史上最高といわれる時代劇は大迫力でした。

野武士と闘うクライマックスの凄さはもちろんですが、
そこに至るまでのドラマ、志村喬が侍をひとりずつ集めていくところや、
7人が農民たちと闘いの準備をするくだり、
観てるほうも感情が少しずつ積み上がっていく、
その気持ちの高ぶりの心地よさが、とても好きです。
まるで人間の感情の奥底にひそんでる
戦いの本能の導火線にじっくり火がつけられるような。

そんなわけで生まれて初めてDVDコレクションを地道に買うことにしました。
『蜘蛛巣城』や『野良犬』が待ち遠しい。

なんかね、当たり前のことだけど、
誰かをわくわくさせる、誰かの心をふるい立たせる、誰かを魅了する、
そんなものを生み出すことって、なんてすてきなことなんだろうと、
つくづく思います。それはなんてすばらしい人間の営みなのだろう。

時代や国を超えて、顔も名前も知らない人の心をとらえて揺さぶりたい、
そんな単純明快な願望について、あらためて考えてみたい気分です。

そして、とりあえず原尞の最新作だ。
14年間も待っててよかった!









スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/1172-cdda4ec6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示