2018-06

終わって、始まる

ひとつ公演が終わったとたん夏の空気になってる、
劇場の中にいる間にいつの間にか季節がひとつ進んでる、
そんな朝。

昨日は溜まっていた疲れと眠気で1日中動く気になれず、
ぼんやりした頭で黒澤明の『生きる』を見てました。
志村喬はあんな帽子をかぶらされてイヤじゃなかったのかなあとか、
どうして小田切さんは葬式に来なかったのかなあとか、
そんなこと思いながら。

『カッター』が終わりました。
観に来ていただいた皆様、気にしていただいた皆様、
支えていただいた皆様、そして演じていただいた役者の皆様、
本当にありがとうございました。

いつも終わった芝居のことはあれこれ言わないのですが、
今回はひとつだけ、あえてここに書いておこうかなと思うことがあります。
ラストの音楽のことです。

じつは最後の場面であの曲を使うことを思いついたのは、
小屋入り直前でした。
それまでは電車の走行音を流すつもりで音源も用意していました。
それを土壇場で変更したのは、ふとした思いつきです。

一部の人たち、とくにいつものノーチラス芝居を知ってる人からは、
「なんであの曲にしたの? 電車の方がよかったんじゃないの?」
と言われました。それはよくわかります。

あの曲にしたのは、本当にカンのようなものです。
思いついたとき、もう他の音が考えられなくなりました。
無難にまとめるよりは、あえて賭けよう。
全財産スッてもいいから。そんな気分。

ぼくはあの芝居の作・演出なので、責任はすべてぼくにあります。
だからこそ、たとえ100万人が「こっちがいい」と言ったとしても、
ぼくが「いや、こっちのほうがいい」と思ったら、
たとえそれがぼくひとりの考えであっても、そうしよう。
たとえ世界を敵に回してでも。そんな気持ちで決めた選曲です。

『カッター』について何を言われようとも、何も後悔はない。
スカッとしてます。
そして、あの曲にしたことに何も文句を言わなかった役者さんたちに、
ありがとうございました、と言いたいです。

このことを書き残しておこう。
この先いつか、何かで迷ったときのために。
何かで迷ってる将来の自分の背中を押すために。

毎回いろんな葛藤があります。
ぼくだけじゃなくて役者さんたちは、もっと悩み苦しむと思います。
そうやって結実したものが、ひとつずつ増えていく。

大きな声で「くそったれ」と叫びたい気分です。

叫びます。



さて、ちょうどいいタイミングで仕事の打ち合わせ。
日常生活の、はじまりはじまり。







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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