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2018-10

簡単そうに見えて、解けない問題

こんな時間に銀行とまいばすけっとに行き、
帰り道はタイ焼きを食べながらブラブラ歩く。
フリーライターは気楽なもんだ……と思われそうですが、
今朝は5時半に起きて仕事してました。だから正当な休憩時間。
早朝は涼しくて、最も仕事がはかどる時間帯です。

ひとりで暮らしていると、
フリーライターの「フリー」の部分が身にしみます。
時間を自由に使えるのは、すこぶる便利でよろしい。
と思う反面、「ひとり」を痛感することもよくあります。
ああ、ひとりね、おれ、ひとりなんだね。
その「ひとり」という言葉がいろんな意味と感情を持つ。

今、すごく読みたい本が2冊あって、同時に読んでるのですが(笑)、
1冊は松家仁之『光の犬』。1冊は黒川博行『悪果』。
『光の犬』は川本三郎が昨年のベストに選んだ文芸作品。
主人公の大学教授は故郷の北海道に帰ってそこで暮らそうとしている、
ところがそれを妻に話すと、映像会社に勤務している妻は、
北アルプスで二ホンライチョウを撮影しているから、自分は行けない、
そう言って断ります。その必要最小限の言葉で語られる夫婦の思い。

『悪果』は黒川博行お得意のゴロツキ刑事とヤクザのハードボイルド。
こいつらホントに警察官か?という感じの悪徳刑事が、
正義か悪かよくわからない捜査をしていく話ですが、
主人公の刑事の妻はマルチ商法にハマッていて、
家の中には得体の知れない商品が積み上げられている。
もちろん夫婦の会話はなく、刑事はただひたすら、
好きなキャバ嬢といかにしてセックスするかだけを考えている。

物語の内容は全然違うふたつの小説ですが、
いつの間にか心が通わなくなり、
言葉さえも通じなくなってしまったかのような夫婦の距離感が、
なんとも切なく、チクリという鈍い痛みのように伝わってきます。

どんな仕事をして、どんな世界の中に生きていても、
「ふたり」という単位でいたと思っていたはずが、
「ひとり」と「ひとり」でしかなかった、そのことに気づくのは、
誰にとっても寂しいものなんだと思います。

「ふたり」イコール「ひとり」と「ひとり」。
人間が永遠に解くことのできない算数の問題。

このふたつの小説の底のほうに流れているその孤独感、
というか、「孤独」という言葉では語れない「何か」。
そんなことを思いながら、フリーライターの時間が流れていきます。

さて、午後の部を始めよう。
タイ焼きなんか食べたから、全然お腹が空きません。












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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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