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2018-12

夜中に目を覚ましたときに考えること

また暑さが戻ってきて、久しぶりにエアコンをつけました。
そういえば、まだ8月半ばを過ぎたばかりだもんな。

ここ1年くらい、全然熟睡できなくなって、
寝ついてから朝まで1度も目が覚めないなんてことは皆無。
夜中に何度も目を覚ましてボンヤリしていることが多い。

人間は年をとるにつれて睡眠時間が短くなるそうだから、
「いかん、ちゃんと眠らなきゃ」なんて焦ることもなく、
外の音に耳を澄ませたりします。

そんなとき最近よく思い出すのが、生まれ育った家のことです。
10歳まで住んでいた家は、かなり昔は料亭だった大きな家を、
安い値段で買い取ったもので、ともかく古くて今にも壊れそうだったけど、
もとが料亭だったので、庭が広く、さまざまな植物が生い茂り、
築山や灯篭や大きな池もありました。

前庭、中庭、後ろ庭の3か所があったのですが、
とくに後ろの庭が広くて、しかもいろいろな木があるので、
一度も足を踏み入れたことのない一角なんかもあって、
自分の家の庭なのに、なぜか「未知の世界」という感じでした。

子供のころ、夜中に目を覚ますと、よく、その庭のことを考えました。
生い茂った木や草花が真夜中に少しずつ成長している様子や、
その植物のかげで、名前を知らない虫や小動物がうごめいていたり、
そういう情景を勝手にイメージして、ちょっと怖くなって、
ますます眠れなくなったりしました。

今、夜中に目を覚ますと、子供の頃のそんな夜のことを思い出します。
布団の中でじっと動かないで、庭の情景だけが頭の中に広がる。
翌日になれば、またその庭を眺めたり遊んだりするのだけど、
真夜中の庭は、まったく知らない、遠い場所。

自分の家なのに、そんな場所があるというのが、今思えば不思議です。
大袈裟な言い方ですが、あの庭は、
家族や親類縁者の中にひそんでいる「闇」の象徴だった気もします。
ひそかに成長する植物や、音もたてずにうごめく虫や動物たちは、
そっくりそのまま、家族のかかえる「闇」に似ていたなあと思います。

こんなことを思うのは、この前読んだ『光の犬』という小説のせい。
3代にわたるある家族の物語が、いろいろなエピソードで語られるのですが、
とてもいい小説だったので、つい自分の家族のことを思い返し、
解体したり組み立てたりして、自分なりの連作小説にしてみる(笑)。

よく考えると、子供の頃には「いて当たり前」だった人たちが、
今はもうこの世にいない。そうか、そういうことなんだなあと、
何かに気づいたようなフリをしてみたり。

今は「家族」というものを持っていない僕ですが、
いつかもっと年をとったら、自分の家族や親類縁者のことを
緻密なモザイクのように書いてみたいです。

そんなことを考えながら、夜中、何かにじっと耳を澄ましている。
夜中に目を覚ますのは、ぼくにとっては、なかなか貴重な時間です。

どうして自分は、あの場所を離れて、こんな遠くにいるんだろう。
今さらながら、そんなことも思います。







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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