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2018-12

ぼくはきっと、きちんとまとまった物語が嫌いなんだと思う

ようやく『となりの事件』の第2稿(イコール決定稿)が出来上がり、
なんだかホッとしています。今までは第1稿で稽古を進めていたけど、
今日からはみんな新鮮な気分で稽古できるはず。
あー、なんというほがらかな気分。

よし、久しぶりに『FIFA17』をやろうと思ったら、
Eテレで吉田剛太郎の『シラノ・ド・ベルジュラック』を録画中。
このテレビ、録画中はゲームできないんだな。知らんかった。

そこで第2稿をプリントしながらブログ書いてる次第です。
何を書くかなーと思って、ふと気づいたのが昨夜の『ディーリー』。
これ、『アンナチュラル』以来、なかなか面白いミステリーです。

ところが、昨夜の第7話が、ネットで物議をかもしているらしい。
昨夜の話は、けっこう複雑な人間関係が絡む殺人ものだったのだが、
話が進むにつれて「あやしい人物」「犯人たりえる人物」が増えていき、
そして、そのそれぞれが、いかにも意味ありげな、奇妙な言動を見せる。

話としてはとても面白く、和歌山のヒ素入りカレー事件をモデルにした
無差別殺人事件なのだけど、おいら時計をチラチラ見ながら、
「あと何分以内に犯人がわかるはずだ」なんて思ってました。

ところが、さんざんいろんな伏線を張っておきながら、
それらを回収することもなく、しかも犯人もわからないままエンド。
テレビのドラマでこれはありか?と思わせる内容でした。
案の定ネットでは賛否両論、モヤモヤするーという感想が飛び交ってます。

まあ、「賛」でも「否」でも面白いならいいんじゃないか?というおいらとしては、
全然「あり」なのですが、「犯人を教えろ!」という人も多いんだろうなあ。

ところでひとつ思うのは、みんな「伏線の回収」が好きだということ。
映画や芝居の感想でも「伏線がきちんと回収されている」というと、
それはかなりのホメ言葉。逆に、回収されてないと批判される。
まあ、一理あるとは思います。

でもぼくは、あまりに見事に伏線が張りめぐらされ、
そしてそれらが見事に回収されている作品に出合うと、
なんだか逆に「興ざめ」してしまう、アチャーと思ってしまう。
「一生懸命に計算して作った作品なんだねえ」と作者の苦労を感じてしまう。
いかにも「作品」、いかにも「作られたもの」「構築物」って感じが、どうも苦手。

なんていうか、観る人に、
「ほーら、スッキリしたでしょ?」と見せつけてるみたいで、
なんだか「思うツボ」にハマッたみたいなイヤな感じ。

だって、現実の人生には、伏線はたくさんあっても、
それらが全部きちんと回収されるわけじゃないし、
回収されないからこそ、現実世界は楽しいのだ、と思うのです。

だから映画にしろ芝居にしろ「伏線の回収」がうまくいってるかどうかは、
ぼくにとって、あまり重要ではありません。

そのことを強く感じたきっかけがあります。
それは世界中で爆発的にヒットしたデヴィッド・リンチの『ツインピークス』。
ぼくも夢中で観たTVドラマですが、いやもうともかく、
笑ってしまうくらいにあやしい伏線だらけ。
しかも、それらが全部きちんと回収されるわけではない。
むしろ回収されない伏線のほうが多かったと思う。

でも、全然平気、面白かった。
人生とは、この世の中とは、そう簡単に解けるものではない、
いやむしろ世界は謎そのものだ。そう言われてるようで、スカッとした。

で、『ツインピークス』以来、ぼくの中では、
「伏線の回収」という要素が、あまり重要ではなくなりました。

気がつくと、ぼくは、あまりきちんと伏線を回収しない物語のほうが好きみたいです。
考えてみれば、レイモンド・カーヴァーの小説だって、そうじゃないか?

そんなわけなので、昨夜の『ディーリー』は、
ぼくにはとても楽しい話でした。全然「あり」です。
まあ、もちろん、「モヤモヤして気持ち悪い」という意見もよくわかりますが。
「伏線の回収って、そんなに大切か?」と思うのです。
少なくとも「伏線の回収」と「その作品の面白さ」とは、
案外、直結してるものではない、と思います。

来週は最終回です。菅田将暉の話みたいですね。
『ああ荒野』の彼は、とても良かったな。
どうか、へんにキレイに物語をまとめないで欲しいな。
なんてね。









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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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