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2019-02

アンハッピーエンドについての言い訳、てこともないけど

夜中に目が覚めて眠れなくなったので、
昨夜借りたポランスキー監督『チャイナタウン』を観てました。
終わったのが4時頃で、それから寝てないので、すこぶる眠い。

無名だったジャック・ニコルソンを一躍スターにしたという作品で、
『カッコーの巣の上で』や『さらば冬のかもめ』の彼もグッとくるのだけど、
『チャイナタウン』の不良探偵のニコルソンは、リアルでカッコいい。

原作は無くて、映画のためのオリジナル脚本だそうですが、
ロス・マクドナルドっぽい正統派ハードボイルド(チャンドラー風ではなくて)。
舞台は1937年のロサンゼルスで、ダム建設をめぐる利権争いと、
影の実力者一族の暗部がからむ、みたいなストーリー。
このお話、本当によく出来てます。練りに練った、という感じ。

で、さっき、この映画のことをネットで調べてて知ったのですが、
当初の脚本では、最後はハッピーエンドだったらしい。

実際の映画は、ハッピーエンドとは程遠い、救いの無い結末。
いや、このラストシーンが見たくて、このDVDを借りてきたのです。
詳しくは書きませんが、本当に味わい深い結末です。

第1稿のハッピーエンドを読んで、監督は激怒したとか。
まあ、確かに、みんな丸くおさまるハッピーエンドのハードボイルドなんて、
あまり聞いたことがない。書き直して正解だったと思います。

もしもハッピーエンドだったら、この映画は、どう評価されたのだろう。
ぼくはハッピーエンドの『チャイナタウン』なんて観たくないですけど。

今までたくさんの芝居を書いてきましたが、ぼくもやはり
ハッピーエンドが嫌いで、アンハッピーな終わり方ばかり。
脚本を書いてるときに、つい思わずハッピーエンドになることもありますが、
当然ながら、書き直します。

ときどき、ぼくの芝居の終わり方がアンハッピーだから嫌いだという人がいます。
もう2度と観ない、と。最近、気がついたことですが、世の中には、
「芝居に限らず、あらゆる物語は、ハッピーエンドであるべきだ」
という人も大勢いるようです。それはとても意外で、ちょっとした驚きでした。

べつにそれが悪いとは思わないし、そういう考え方もありだと思います。
「物語」というものに何を求めるか? それは人それぞれです。

あと、これも最近思うのですが、
ハッピーエンドばかり書く人が必ずしも、楽天的で前向きな性格な人ではないし、
アンハッピーな結末ばかり書くからといって、悲観的な厭世家というわけでもない。

物語をどう終わらせるかは、あくまでもその物語の中の問題であり、
極端な言い方をすれば、どうにでもできることです。
『チャイナタウン』に複数の結末があったように。

「今村の書くものは、どれも暗い終わり方だ」と言う人には、いつも笑って、
「当たり前だろ、それが人生ってもんだ」と脅すことにしてますが、
実際には、必ずしもそうとは限らないということも知っているつもりです。

ただ、思うのは、
アンハッピーな終わり方のほうが、いろいろな受け止め方ができるのでは?
ということ。いろんな解釈ができるし、いろんな機微を感じることができる。

その点、ハッピーエンドは、受け止め方がむしろ狭くなる、限定される、
そんな気がします。だからハッピーエンドを避けるのでしょう。

「幸せの形はひとつしかないが、不幸せにはいろいろな形がある」
そう書いたのはトルストイですが、人間はおそらく、
不幸に出会ったときに、いろいろなことに思いを巡らせるのだと思います。

なんか、いつの間にか、ぼくがハッピーエンドを書かない言い訳をしてますね。
なんでかな。言い訳ってこともないけど。

まあ、もっと単純な言い方をすれば、
アンハッピーエンドな物語のほうが単純に面白い。そこに尽きる(笑)。

いや、話は『チャイナタウン』です。
これ、オールタイムベスト10に選ばれることもあるくらいの名作です。
とくに結末は、珠玉のエンディングです。
真夜中にひとりで観るのに、もってこいです。おすすめ。







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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