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2019-02

欠点もコンプレックスも山ほどあるにはあるが

昨日は、一昨日に買ってきたミステリーを1日かけて読もうと決めていた。
なので金曜日のうちに仕事を終わらせて何もない状態にして、
昨日は朝から万全のミステリー体制。で、ちょうど深夜0時前に読了。
予定どおりの1日って、気分がいい。

ありん堂は今日から開店。なので、さっそく豆大福などを買いに行き、
youtubeで古いラジオドラマを聴きながら食べてます。
昨夜、NHK・FMで山岡ミヤ『光点』のラジオドラマをやったらしいけど、
ラジオが無いから聴けない、早くネットで聴けるといいのにな。

昨日読んでいたのは望月諒子『蟻の棲み家』。
暗く重く濃厚なミステリーとして最近ひっそりと評判です。
母親が売春でしか金を稼げない、不幸で貧しい家に生まれた子供。
彼の成長と、彼を取り巻く人々を、淡々と描いた小説ですが、
筆が淡々としているから、かえって「不幸」があからさまになるような。

不幸や貧しさは伝染し、世の中のごく小さな面積のところに吹き溜まり、
そこからは、上に這い上がることができないだけでなく、
上の世界をこっそり覗き見ることさえできない。
不幸に生まれた人間は、もうずっと不幸。死ぬまで不幸。

この世には、「人並みな幸福をつかみたい」と望むことさえ出来ないような、
望むことさえ思いつかないような、何かを望むなんてこととは無縁な、
そんな世界もあるのだということを、
頭にゴリゴリすりこまれるような小説。

「何かを夢見る」というのは、きっとすばらしい特権なんだ。
それだけでも十分に幸福なことなのだ。


それにしても……と思いました。
そのミステリーを読みながらつくづく感じたのは、
「これだ」と決めたモチーフに対する作者の執着心、
狂ったように、熱に浮かされたように、ひたすらモチーフに没頭するこだわり。
作者の、狂気のような執着心を、いやというほど感じました。

それは自分に希薄なものだと思うからです。

高校時代から美大を目指して絵を描くようになった。
でも上京して勉強するようになり、自分には才能が無いと気づき始めた。
自分に決定的に欠けていたのは、モチーフへの執着心です。

石膏像でも静物でも風景でも人物でも、何を描くにしても、
熱に浮かされたように、一心不乱に描く、という執着心が薄かった。
どこかで冷静に、客観的に自分を眺めていた。冷めた目があった。
それを意識し始めて、自分には才能が無いと見限った。

その後、絵でも小説でも映画でも何でも、
狂おしいくらいにモチーフにこだわった作品に出合うと、すごく羨ましいと思った。
自分には無いものがそこにあると痛感した。

そのコンプレックスは、今もどこかに生き続けているようで、
昨日読んだミステリーみたいな、強烈な執着心に触れると、なんか、
心底ショックを受けるのです。

じゃあ、今さらどうしろというのか。いや、わかりません。
わからんです。わからないのです。

もともと自分に欠けているものは、もう一生ずっと欠けたままなんだろうか。
どこかで逆転して、自分の強みになったりするのだろうか。

昨日は、小説の文字を追いながら、
物語だけでなく、そんなことを考えていました。

そんなことと必死で戦ったり抗ったりしながら、
明日からまた仕事が始まる。

いや、楽しもう、人生を。
欠点や弱点、コンプレックスをもてあそび、もてあまし、もちつもたれつ、
決めたことをやり抜こう。
この気持ちが、どうか長続きしますように。















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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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