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2019-02

コンコ堂近くで見た1枚の張り紙

本棚を整理していたらずっと探してた絲山秋子『沖で待つ』を発見。
絲山秋子は最近のお気に入りの作家のひとりで、
かなり前に読んだ『沖で待つ』をもう1度読みたかったのです。

「やった!」と思って一気に読んだのですが、
記憶の中にあった物語とは違ってて、あれ、こんな小説だっけ?
などと思いながらも、いや、もちろん、やっぱりとても良かったのだけど。

でも、もしも小説がひとつの意志を持った生き物で、
時間とともに自在に変化する性質であったら楽しいだろうなあ。
夜中にページの上で文字がヌメヌメと動き出し、配列を変え、
まったく新しい物語に変貌を遂げる。

この場合、【小説】とは分類学上どんな種類に属する生き物なのか、
いつ地上に出現して、どんな進化を遂げてきたのか、
ぜひ解き明かされて欲しいものです。

陽が落ちてからコンコ堂まで散歩。
と思ったらコンコ堂の手前にもう1軒古い古本屋があるのですが、
ガラス戸に張り紙がしてあり、
「寄る年波のためにやむをえず店を閉めます」と書かれている。
全品が半額になってます。昭和28年に貸本屋として始まり、
いつの頃からか古本屋になったとか。

そう、昔は貸本屋というのがありましたね。
子供の頃、かすかな記憶があります。
ぼくの田舎にも貸本屋があって、よく利用していたような記憶が…

「寄る年波」などという言葉に接したのは久しぶりです。
同じような張り紙をこの1年の間に何度か見ました。
阿佐ヶ谷の街から少しずつ古い店が消えていきます。

高齢化社会といっても、高齢者だっていつかは朽ちる。
永遠に生きてるわけじゃない。いろんなものが消えていきます。
なくなった店のあとには、ありきたりな店やコンビニができたりして、
街は、どこも似たような風景へと変わっていく。街の均一化。

きっとそれは「進化」でも「発展」でもなくて、
街が「街」でなくなっていくことのような気もします。

じつを言えば阿佐ヶ谷は、ぼくが東京に出てきて最初に住んだ街です。
あの頃に比べたら、今の変貌ぶりといったら……

などと思いながら、ゆっくり歩きながら帰ってきました。
コンコ堂に欲しい本があったのですが、今度の原稿料が入るまで待ちます。
本日、ありん堂は定休日。













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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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