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2019-02

昨日観た2本の映画のこと

雨が降るとWOLKMANで買った現場用の作業靴が威力を発揮。
防水なのでありがたい。2600円オススメです。

2本続けて日本映画を観ました。
1本は富永昌敬監督『ローリング』、よく知らない監督ですが、
本谷有希子脚本の映画化や太宰治の小説を映画にしてる人らしい。
『ローリング』はとてもよかったです。一応は群像劇ということなのかな。

自分の生徒たちの更衣室を盗撮してクビになった高校教師と、
その教え子たちの話。舞台は水戸。けだるい地方都市の空気の中で、
ダメ教師やダメ若者たちがグズグズに堕落していく話ですが、
教え子を盗撮した映像の中に映ってたひとりの女子校生が、
卒業後に芸能界に入ったことで話がちょっと複雑になっていく。

めちゃくちゃダーティな転落劇ではなくて、なんか中途半端な感じが、
逆にリアルで見ていて面白い。世間ではあまり評価されてないみたいですが、
ぼくはオススメです。3年くらい前の映画かな。
出てるのは三浦貴大以外は、よく知らない人でした。

もう1本は『日本沈没』。古いほうの、最初のほうのです。1974年かな?
10代の頃は小松左京が大好きだったので「観なきゃ」とずっと思ってた。
ずっと思い続けて数十年もたって、やっと観た。
日本が沈没する場面がすごい特撮で延々続くのかと思ったら全然違う。
沈没は説明的に描かれるだけで、意外とあっさりしてます。

で、何を描いているかというと、
地殻変動のために日本があと1年以内に沈むということがわかったあとの、
政府や科学者たちの行動。とくに「いかにしてひとりでも多くの日本人を脱出させ、
そして移住した先で生き延びていくか?」ということが大きなテーマ。

それで「あ」と気づいたのだけど、これ、『シン・ゴジラ』とよく似てる。
どちらも政府の右往左往と、科学者の苦労が描かれている。
その先にあるのは「日本」とか「日本人」というものの意識。

『日本沈没』では、諸外国の元首に「日本人難民を受け入れてくれ」と頭を下げたり、
国連で「日本人を救ってくれ」と懇願する場面がたくさん出てくる。
『シン・ゴジラ』では熱核兵器の使用を食い止めるために政治家が奔走し、
外国の大使に深々と頭を下げる総理の姿が映し出される。

究極の事態が起きたときに「国家を保つ」ということがどういうことなのか、
どちらも、そのことと向き合った映画です。
とくに『日本沈没』が作られた時代はまさに高度成長期で、
日本人全体が共通のひとつの目標に向かって走り続けていた時期です。
そんな時代にこの映画が作られたことには、
今とは異なる意味があったような気がします。

中学高校時代は小松左京のSFが大好きでしたが、
『日本沈没』は読んでない、なぜなら新書版だったから。
当時のぼくは「新書版はおとなの読み物」というイメージがあって、
どうしても手が出なかったです。その代わり早川の文庫本で、
『果てしなき流れの果てに』や『継ぐのは誰か』などを読んでた。
あー、面白かったなあ、わくわくしたなあ。

ところで小松左京の短編で『影が重なる時』というのがあります。
これ、すごい名作というか、すごい衝撃を受けたのを覚えています。
ラストのくだり、今でも鮮明に覚えてる。
1953年の水爆実験を見て、小松左京は「人類はやがて滅びる」と思ったそうですが、
彼の人間観というか世界観というか、そんなものがうかがえる傑作です。
機会があれば、ぜひ。






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Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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