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2019-02

『庭』、再び

「今村さんは暗い芝居しか観ないんですか?」
とあどけない顔で役者に質問されるって、どうなんだろう。

けっして暗い芝居しか観ないわけでもないのだが、
20代の頃に小劇団ブームを体験して、その頃観ていた芝居には、
どこか拭い去れない暗さや重さのしみこんだものが多かった。
だからきっと、「芝居って、そういうもの」という考え方なんだろうな。

いや、暗いとか明るいとか、そんな二者択一では計り切れないものも、たくさんある。
暗いは明るい、明るいは暗い、でもある。
きれいな汚い、汚いはきれい、あれだな。
好きは嫌い、嫌いは好き。そう、これもあるし。

亡き父親は、世の中の暗さを教えてくれたね。
「人間てのはなぁ……」が口グセだった。
最後の「……」の部分には、ろくな言葉が続かなかった。
父親は嫌いじゃないが、尊敬などはしなかった。
亡き母親は、世の中の明るさを教えてくれた。
中学生の息子に「アンドレ・マルローの『王道』を読め」と言うような人だった。
きっと、「何か」に期待していたのだろうなと思う、今でも。

明るさと暗さ、それはセット。ワンセット。
誰かお中元にください。のしつけて。
できれば、伊勢丹の包装紙で包んでね。

さて、短編上演が3本も詰まった贅沢な6月も、
明日はいよいよ最後の芝居となります。

ドレスアキバホールでの『庭』。

去年4月の短編集『月の見える場所』4本のうちの1本です。
それを1年経ての再演。
4人のキャストのうち、3人は新しい女優さんです。

ノーチラスは本格的に活動始めてまだ1年ちょっとの劇団なので、
過去作品の再演というのはやったことがない。
この『庭』が初めてです。
「短編で何か再演を」と考えたとき、これを選んだのは、
やはり、自分で気に入ってる作品だから。
1年たっても、その気持ちは変わらない。

「吉岡さん」役は今や宮城範子の当たり役か(?!)。
あとの3人、豊永純子、猫多ゆかり、小熊カンナは、今回が初顔合わせ。
稽古を重ねるにつれてビュンビュンと何かを放ってくる、
それぞれに不思議な個性を秘めた3人です。いやホントに不思議なのです。
12日のひつじ座に続いて、明日アキバでどんな『庭』を演じてくれるのか、
演出した人間として、ひとりの観客として、すごく楽しみにしています。

どうか、太陽の光の射す暖かな庭の陽だまりを思い浮かべながら、ご覧ください。
あ、といっても、舞台は病院ですが。

ぜひ明日の夜は、秋葉原でお会いしましょう。
お待ちいたしております。









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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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