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2019-09

メカリドキという不思議な言葉を覚えた日曜日

朝、布団から出られないままボンヤリとEテレの俳句の番組見てたら、
今は、「目借時」だそうです。メカリドキと読む。初めて聞いた。

春の、睡魔に襲われて眠くてたまらない時期のことを表す言葉。
なぜか「カエルが人間に目を借りる、だから人間はすぐ眠くなる」
そんな俗説があるそうで、そこから生まれた言葉だとか。

あるいは、動物たちが「妻(め)を狩る時期」の意味もあるそうです。
春ですからねえ。つまり、雌狩時ってことですかね。
俳句界の偉い人がそんな話するのを聞きながら、また眠ってました。

午後は内田吐夢監督『飢餓海峡』を観てました。
1965年制作の長い映画です。原作は水上勉の小説。
こういう映画を観ると、つい、無口になります。
そう言いながらブログ書いてますが。

昭和29年に津軽海峡で洞爺丸が沈没、1155人が犠牲になった。
当時はタイタニック号沈没に次ぐ海難事故だったそうですが、
『飢餓海峡』は、この事故をモデルにした大きな沈没事故が発端です。
引き上げられた犠牲者の数が、乗船名簿より、ふたり多かった。
このふたりは誰なのか?というところから話が始まります。

終戦直後の貧しい日本を舞台にして、
貧しい者が貧しい者とともに犯罪を犯し、その貧しい犯罪者を貧しい刑事が追う。
荒みきった世相の中で、貧困にあえぐ人たちが骨身を削って生きている。
その骨のぶつかり合う音が聞こえてきそうです。

3時間ほどの映画ですが、最初は犯人の三国連太郎中心に話が展開し、
途中から彼は一切出なくなり、別の登場人物をめぐって話が展開し、
そして再び三国連太郎が登場する。その展開がすごいです。

戦争が終わって、すべての価値観が狂ってしまい、
貧困の中でどうやって生きていけばいいかと苦しむ日本人の、
深い葛藤を見せつけられる映画です。

たまたまですが、昨夜、皆川博子の短編集を読んでました。
その中の『蝶』という短編は、戦争中に敵兵を殺した日本人が、
終戦後にせっかく日本に帰れたのに、すべてを失っているという話。
皮肉なことに闇市で金が儲かり食うには困らない。
食うには困らないのに、しかし、生きる意味を失っている。
そんな彼は最後にどうしたのか?……という物語。

どこかで『飢餓海峡』とかぶっていました。
どちらも、日本人がそんなふうに、
どこに向かって生きていけばいいかわからず迷い苦しんでいた、
そんな時代があったのだということを再認識します。

昭和という時代がまた少し遠のきますが、
こういう映画は、ずっと残っていて欲しいです。
そんな日曜日。










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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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