FC2ブログ

2019-02

むかし見た月

図書館から大量の本を借り、しかもどれも重い本ばかりで、
それだけでクタクタになった1日。

だからといって、紙の本は重い、だから電子書籍で…なんて断じて思わんよ。

さて、昨夜「月光インク」の美術の打ち合わせをしながら、
話題になったのが、「月をどう見せるか」という問題。
「月光インク」ってくらいで、やはり月は重要です。

で、思ったのは、フェリーニ風な月。
いいねいいね。
オノさん、フェリーニの映画、ちょいと観てみてください!

演劇における月、ということで言うと、おいらには印象的な経験がある。
ずっと昔に観た「オイディプス王」。
蜷川幸雄演出による築地本願寺での野外劇でした。

客席につくと、中央に直径数メートルの巨大な円盤が置かれている。
これ、何? 円形ステージ? と思っていると、やがて開演時間。
クレーン車が、その円盤をグイーンと持ち上げていき、
築地本願寺の屋根の横、空中に吊り下げる。
やがて円盤は淡い赤色に輝き始める……つまりそれは、
本願寺の屋根の横で輝く満月なのでした。

まだ観劇経験もあまり無くて、芝居というものをよく知らなかったおいらは、
すごいショックを受けた。

あっという間に空中にかかる満月。
その明かりの下で繰り広げられるギリシャ悲劇。

じつは、開演前に雨が降り出して、
役者も観客もビショ濡れになりながらの芝居。
しかし、満月は鈍く輝き、悲劇を見下ろしている。

ついでに言えば、その公演ではギリシャの女優が招かれていて、
主役の平幹二郎ほか日本の役者はセリフを日本語でしゃべっているのに、
そのギリシャの女優だけはギリシャ語でしゃべるという不思議な芝居。

雨の中、日本語とギリシャ語で語られる悲劇、
それを見ている人工の満月……その世界を観て、
演劇とは、まあ、なんだかすごいもんだなと、
何も知らない若造だったおいらは、いたく感動した。

おいらにとって、演劇における月とは、
まさに、そのときに見上げた築地本願寺の満月です。
あれが出発点。

今回「月光インク」というタイトルの芝居をやることになり、
あの日に観た満月を、何度も何度も思い浮かべています。

いや、物語の内容は全然違うけどね。

そんなわけで、「月光インク」の舞台では、どんな月が輝くのか、
どうぞお楽しみに。






スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/271-f88432d6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示