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2019-05

『何か』が写ってる

この3連休はこれに集中、と決めていた仕事を終えて、
さっき送信しました。ピッタリ予定どおりに終わって気分いい。

こんな時、となりが和民だったらなあと思う。
でも、となりは学習塾です。

今はどこも人がいなくて閑散としてるらしい。
観光地も遊園地も繁華街もシーンとしてるとか。
でも、家にいて、ふだんあまり顔を合わせない家族と話してみる、
なんていうのも、たまにはいいよね。
節電でテレビを消せば、会話もはずみそう。

子供の頃、ぼくの家はあまり家族全員が揃わなかった。
父親は仕事が忙しくてあまり家にいなかったし、
和裁が好きな、いつも和服姿の母親は、奥の部屋で裁縫をしていた。
たまに家族が揃うと、なんだか照れ臭くて、
かえって黙り込んでしまったような気がします。

そういえば、昨夜なんとなくテレビをつけたら、
教育テレビで井上孝治の特集やってました。

井上孝治は、写真家です。
名前は聞いたことあったけどよく知らなかった。
戦後から昭和30年頃までの福岡の街の風景を撮り続けていた人。
貧しかった頃の日本の日常生活を膨大な数の写真に残しました。
とくに子供の写真が多く、どれも生き生きとして、
そのかん高い声、はしゃぐ声が聞こえてきそうな写真ばかり。

でも井上孝治自身は、撮影している子供の声を聞くことはできなかった。
なぜなら、聾唖者だから。
3歳から耳が聞こえない写真家、
なのに、その人が撮影した写真からは声が聞こえてくる。

本当に聞こえるか聞こえないか、というのとは、
まったく別の話なんですね。
いや、井上孝治の耳には、聞こえていたのかもしれません。
だって、音や声は、じつは頭の中にあるのだから。

どれも、見つめていると胸が詰まりそうな写真でした。

番組の中で、ちょっといい言葉を聞きました。
井上孝治はたった1度だけ、沖縄に旅して沖縄の街の風景を撮影している。
もちろん、まだ沖縄がアメリカだった時代です。

番組では、その写真に撮影されている商店街や市場に行き、
お年寄りたちにその写真を見せて感想を求めているのですが、
その中で、あるひとりのおばあちゃんが、こんなこと言った。

「あの頃は、みんな貧しかったけど、頑張れば『何か』があると思ってた。
その『何か』を、みんながちゃんと感じていた。
今は、その『何か』が、ないねえ」

それは、その『何か』を手に入れてしまったから?
それとも、ほかの理由があるのか?

わからない、そして、その『何か』があるのと無いのとでは、
どちらがいいのかも、わからない。

でも、そうやって人間は、世の中は、変わっていくんですね、少しずつ。
そして井上孝治の写真には、その『何か』がちゃんと写っている。

あ、そうか、胸が詰まりそうになる理由が少しわかった。

そんなこと考えながら、テレビ見てました。
明日は本屋で、写真集を探してみます。








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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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