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2019-05

バラードの終末

すごい風でしたね。何も被害はありませんでしたか?
通勤・通学の人は大変だろうなあ、こんな日はフリーランスでよかったと思う……
MAHOROBA+αは今日が仕込みだけど、作業は無事に進んでるでしょうか。

バラードの古いSF小説に『狂風世界』というのがあります。
原因不明の強風のために、全世界が少しずつ滅亡していくという物語。
ハリウッド映画なら、ごく平凡な主人公が奇跡的な能力を次々と発揮して世界を救うのだろうけど、
バラードの小説では、人々は、ただ滅んでいく様子を、なすすべもなく見ているだけ。
そのほうが、確かにリアルです。

面白いのは、このバラードという作家、『狂風世界』の他にも、
世界中のあらゆるものが原因不明のままに結晶化していく物語や、
世界中が原因不明のままで水没していく物語など、
ともかく世界が人知を超えたものによってすべて滅亡するという物語を好んで書いてること。
世界の滅亡にとりつかれた作家ですね、まさに。

でも考えてみれば、確かに、
人類が必ずしも核戦争や地球温暖化や環境汚染で滅びるとは限らない。
想像を超えたまったく別の理由で人間が衰退していく可能性もあるんだろうな。
ふだんは聞き慣れない強風の音をじっと聞きながら、
その強風の音が、人類滅亡の日まで永遠に続く世界を想像していました。
人類滅亡の瞬間に強い風が吹き荒れてるなんて、場面としてはなかなか魅力的だけど、
その場面を見てる人は、もう誰もいないわけだ……

核戦争や地球温暖化や環境汚染で人類が滅びる、
つまりは、人類が自分たちが作り出した理由で滅びてしまうなんて、
もしかしたら、一種の「思いあがり」ではないだろうか。

滅びるとしたら、人類は、もっと不可知なもの、人類の想像を超えたまったく別の、
もっと大きな意志によって、意味もわからず、あれよあれよという間に消えてしまうに違いない。
そのほうが、人類にふさわしいとは思わないかね?
バラードはそんなことを言いたかったのかもしれません。
……というのは、僕の勝手な思いこみだけどね。

どうやら、もう峠は越えたようだ。
日差しが強い。
安心して外に出てみたら、
いつの間にか、世界が滅んでいた………

なんていう妄想を抱きながら、
今日4杯目のコーヒーを飲みますか。


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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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