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2019-05

幻の道を走る

昨夜は某劇場を見学。
といってもスケジュール的には合わないので、
ここで芝居をやらせてもらうのは来年になるのだが、
なかなか快適な広さと天井の高さ。

ああいうこじんまりした劇場をひとつ持って、
いろんな人たちに発表の場を提供する老後というのもいいな。
誰かぼくに管理人をやらせてください。

劇場見学の前に本屋に寄って、よく知らない作家の小説と、
『東京都市計画物語』を買う、これ、前から読みたかった。
後藤新平とか、近代東京を創り上げるのに奔走した人たちの話。
よく知らない人のほうが多いけど。

「そういやそうだ」と思ったのは、東京には環7、環8だけじゃなくて、
環状1号線から順番に全部揃ってるということ。
環6が山手通りってのは知ってるけど、
たとえば日比谷通りは環状1号線の一部だとか、
明治通りは環状4号線の一部だとか、そういうのはよく知らない。

どうして「かんよん」とか「かんご」という呼び方は定着しなかったのかな。

でもよく考えてみたら、同心円に何本もの道路が走ってるって、
すごく壮観な眺めじゃないですか。
これを思いついた人は、近未来SF小説みたいな世界を思い浮かべてたんだろうな。
そんな気がします。

じつは目黒に引っ越してくるときに車を手離したのですが、
以前はよくひとりでドライブするとき、環状7号線一周とかやってた。
環7をグルッと起点から終点まで走って、あと、首都高湾岸線を走ると、
東京を一周した気分になれる。
湾岸線の夜景はいつもドキドキするほどキレイでした。

田舎で生まれ育った僕にとって、
それは「まさに東京!」という感じの風景です。

そういえば昨日のブログに書いた小津安二郎の『東京物語』の中に、
尾道から子供たちに会うために東京へ出てきた笠智衆と東山千栄子が、
高台から東京の風景を眺めながら、
「東京は、一度迷子になったら2度と出会えない気がする」みたいなことを話す場面がある。

このセリフ自体はとくに新鮮ではないけれど、
「自分たちの子供は、今、そんな場所で人生を送ってるんだよねえ」
という、子供たちの立場になっての感慨だと思うと、ちょっといいセリフだと思う。

まあ、それはどうでもいいけど、この映画は昭和28年度の作品です。
今から考えたら昭和28年なんて、まだ近代以前の、古ーい時代みたいな印象があるけど、
すでにこの老夫婦は「都会」というものの一抹の寂しさと不人情を感じてるわけで、
戦後の東京が、それだけ短期間で様変わりしたということなんでしょうね。
だって、昭和28年て、まだ戦後8年目だもんな。

たまに古い日本映画を観ると、
昔の日本の風景を目にすることができるのが、なんともうれしいです。

ちなみに、『東京物語』には尾道の風景もよく出てきます。
しかし、大林宣彦監督の映画に出てくる尾道と、あんまり印象が変わらない。
地方都市の景観は、戦後もあまり変化していないということなんでしょうかね。

ところで、ずっと昔、環状9号線を舞台にした小説を読んだことがあります。
タイトルも作者も忘れたけど、計画だけ持ち上がって、結局作られなかった、
幻の環状9号線というのがあるらしい。それをテーマにした短い物語。

このアイデア、ちょっといいね。
これから先、環状9号線が作られることはないのかな。

あったら走りたい、幻でもいいから。
幻の環9を、幻の車で走る。
そんな芝居、どうでしょう。







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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