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2019-02

あかつき

「あかつき」の金星周回軌道への投入が
いよいよダメになったというニュース。
残念ですが、次につながればいいなと思います。

以前、火星軌道投入に失敗した「のぞみ」というのもありました。
これほど国家が財政的に苦境にあるときに、
惑星探査に金をかけるなんて…という考え方もあるのだろうけど、
科学的探究心も、人間の大きな「営み」のひとつなんでしょうね。

このニュースを読んで
『金星ロケット発進す』という古い映画を思い出しました。
細かいデータを知らないので検索してみたら、
1959年制作の東ドイツ・ポーランド合作映画です。

原作はスタニスワフ・レム。『惑星ソラリス』のあの人です。
子供の頃に観たのですが、ソラリスほど難解ではなく、
(映画のソラリスが難解なのはレムのせいではなく、
監督したタルコフスキーのせいだと思いますが・笑)
わりとシリアスな宇宙冒険モノでした。

ゴビ砂漠で発見された不思議な物体が
宇宙から飛来した記憶装置だった、というのが物語の始まりですが、
これって『2001年宇宙の旅』に似てないか?

その物体が金星から飛来したことがわかって、
国際チームによる金星ロケットが発進する、という話。

へんなバケモノとか出てこなくて、
最後は文明批判みたいなものもあって、
なんかミョーに真面目でカタブツな映画だったという印象。

この映画が作られた頃は、
まだ金星のことはほとんど分かってなかったはず。
美しく輝く明けの明星・宵の明星を眺めて、
どうしてレムはこんな皮肉な話を思いついたのだろうと思います。

SF映画といえば、その後『2001年』が生まれ、
『スターウォーズ』や『アバター』が生まれたわけですが、
やっぱり純然たる娯楽映画路線なんだな……と思いきや、
この前、ずっと気になっていた『第9地区』を見ました。

故障した宇宙船から捕獲された大勢の宇宙人を
「低能で不衛生」という理由で隔離し、差別する。
この映画、ヨハネスブルグを舞台にしていることからも、
人種差別・黒人差別を下敷きにしてあるのは明らかです。

この映画には、冒険活劇やファンタジーとしてのSFではなく、
文明に対する辛辣な目線を向けたシリアスなSFの伝統を感じました。

ディックの小説を原作にしたSF映画なんかもこの系統なのかな。
これはこれで、面白い映画ができたらいいなと思います。

考えてみれば、ジュール・ベルヌの時代から
SFとは、人類や文明を皮肉な、しかし真面目な目で見ていました。
ノーチラス号が出てくる『海底2万里』だって……ね。

『第9地区』は、メインの物語は別にして、
その設定や世界観はなかなか面白い、オススメです。

最後にひと言。
がんばれ、「あかつき」。





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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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