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2019-02

マイバックページ

公演が終わると日常が情け容赦なく押し寄せてくる。

公演後はいつもなぜか貧乏になってるので、
劇場にいる時にもらったお菓子なんか食べて空腹をごまかすが、
なんか野菜が食べたくなってサラダを買いにいき、
ついでに『マイバックページ』を借りてきた。

公開時に観たかったんだ、この映画。行けなかったけど。
近藤君が、ときどきTシャツ着てたね。

原作は川本三郎。もちろん読んだ。ずっと昔に。
この人が映画や東京について書いた文章は好きだが、
『マイバックページ』は、この人自身の青春時代の記録。
というか、60年代の日本の、世界の記録。

なんで今さら、これを映画にしたんだろうね?
という素朴な疑問。時代が必要としてるんだろうか。

もちろん僕は60年安保とか安田講堂とか直接は知らないけど、
社会全体が何かと戦っていた時代の空気はかろうじて吸っている。

思春期の頃にアメリカンニューシネマやフォークソングを浴びた。
僕よりも少し上の世代の人たちは、何かとぶつかっていた。
あるいは、ぶつかった記憶を持っていた。
その燃えカスのような人たちが大勢いた。

見果てぬ夢と、どうにもならない悲劇があふれていて、
それが当然だった。幸せなんてマグレのようなものだ。
現実世界でもそうだし、フォークソングや
アメリカンニューシネマやヌーベルバーグの映画の中でも。

ちょっと思ったけど、もしかして僕が暗い脚本を書くのは、
悲劇でしか描けないものを描こう、
悲劇の中にこそ物語と救いがある、そう思ってるからかも。

いや、なんか認めちゃってるけど、
べつに暗い話を書いてるつもりはさらさらないです。
本当にさらさらないのです。

それはまあいいとして、映画の中で松山ケンイチが
CCRの『雨を見たかい』を歌う場面があった。

あーーー懐かしい! 泣きそうになったぞ!
映画を観終わったあと、すぐにyou tubeで探して聴いた。
『雨を見たかい』の「雨」はナパーム弾のこと。
ベトナム戦争で枯葉剤と並んで悪名をとどろかせた兵器。
それをさあ、こんな切ないバラードにして歌うのかい。

とか思ってたら、『雨を見たかい』の歌詞の本当の意味は、
じつは全然違うということを、ほんの1時間ほど前に知った。
くそー、ネットって残酷だな。
あの頃僕たちは反戦の魂を込めてこの曲を歌ってたのに(嘘です)、
それをなんで今さらひっくり返す???

でも、映画を見てちょっとわかった。
今さらこれを映画化したのは、
きっと社会全体が、何か戦う相手を求めているからかも。

眠ってる場合じゃない、起きろ!!
そういうことなのかもしれない。

ああ、わかった、起きるよ、目を覚ますよ。
情け容赦なく押し寄せてくる日常と戦ってやるさ。




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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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