FC2ブログ

2019-02

世界は消失点に吸い込まれる

ヴィム・ベンダースの『都会のアリス』は
何も考えないで、ただ画面を眺めながら、
登場人物のふたりと一緒に自分も旅してる気分。
いや、旅してるのではなくて、さまよってる気分。

アメリカに取材旅行に来ていたドイツ人作家が
ニューヨークの空港で知り合った女から、
9歳になる娘を押し付けられるのが話のきっかけです。
アムステルダムで女に引き渡す予定が狂ってしまい、
男は少女を連れてオランダ~ドイツをさまよい歩く、
みたいなストーリー。いや、ストーリーなんかなくて、
ただもう、フラフラしてるだけにしか見えない。

これ、『ペーパームーン』と内容が似すぎていて、
1度は監督が撮影を断念しようとしたらしいです。
確かに、まあ、話の流れは似てるけど、全然違う映画。
伝わってくるものが全然別だし、なぜそんなこと気にしたんだろ。

『ペーパームーン』は、物語。
『都内のアリス』は、物語じゃない物語。
なーんにも積極的に語ろうとしないのが、
なーんとも心地よい。

余談ですが、映画の中にドイツの都市ブッパタールが出てきます。
なぜかこの都市の名前を、僕は知っていました。

でも、なぜ? なんでドイツのマイナーな都市であるこの名前を
僕は知ってるのだろう? すごく不思議に思ってネットで調べてみた。

そしたら、ブッパタールは世界で初めてモノレールが作られた都市。
ははーん、きっと仕事の調べもので出てきたのかな。
だから記憶の端っこに残ってたのかな。

でも、こういうのちょっとビックリしませんか?
自分の生活や趣味とは何の接点もない固有名詞が記憶の中にあって、
それが何かのきっかけでパッとよみがえる、みたいな。

『都会のアリス』の中にもブッパタールのモノレールが出てきます。
しかも、カメラは最後尾の座席から、モノレール後方を撮影。

あのですね、知ってますか。
モノレールでもバスでも電車でも何でもいいけど、
一番前に乗って前方の景色を眺めているよりも、
最後尾から、後方の景色を眺めるほうが面白いのだよ。
わくわくするのだよ。

まるで、世界が、遥か彼方の消失点に向かって、
シュルシュルと吸い込まれていくみたいで。

僕は小学校の遠足でバスの乗るときは、
率先して最後部の座席に座り、後ろの景色を眺めてる子供でした。
それを思い出しました。

……と、ここまで書いて、
ちょうど今、仕事のFAXが流れ始めた。
なんと見事なタイミングだろう。

さて、1日を始めます。










スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/526-90b0ecdb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示