FC2ブログ

2019-05

となりの部屋に聞こえる音

何年ぶりかで朝のラッシュ時の山手線に乗りました。
電車が駅でとまるたびに自分の意思に反して翻弄されながら
理科で習ったブラウン運動なんて言葉を思い出したり、
新宿駅で乗り換える人たちの群れに押し流されながら
チャールトン・ヘストンの『十戒』を思い出したり、
なんともまあ刺激的なひととき。

人間を数える単位は「ひとり、ふたり…」ではなくて、
「ひと粒、ふた粒…」でもいいような気がした。

着いたのは某スタジオ。
本日は自主制作映画撮影の初日です。

演技するということを自分の体で体験してみたい、
という大義名分があったわけですが、
実際に現場に入ると、そんな偉そうな建前は吹っ飛び、
セリフと格闘。あー、頭に入らない。

ふだんの稽古で、僕が書いた長セリフを
早々ときっちり頭に入れてくれる役者たちさんに
あらためて感謝する気持ちになった。素直に。ホント素直に。

何もわからないので、ひたすら監督の言うとおりに動く。
歩いて、止まって、セリフをしゃべって、
思わずカメラ見そうになるのを我慢して。

で、じつは一番知りたかったのは、
「演技している間に何を考えているのだろう?」ということなのだ。

たとえば「演じる」ということは、
どこからどこまでが自分で、どこからどこまでが役なのか?

セリフをしゃべっている時の自分を、
ここにいる自分は、どこからどんなふうに眺めているのか?
それとも、眺めていないのか?

あるいは、もっと単純な話、「役」とは何なのか?
「セリフ」とは何なのか?

…などなど、漠然と考えていたことはあったんだ。
そんなことが、少しでもわかればいいなあ、と。

しかし、わかりませんでした。そんな余裕ない。必死。
明日は何か感じるかな。期待しよう。

全然関係ないけど、撮影の合間の待ち時間のとき、
この部屋を管理してる不動産会社から電話があり、
となりの部屋の住人がうちのエアコンの室外機の音が1日中うるさくて、
耳鼻科で診察を受けている、と文句を言っているらしい。

このエアコンはもともと部屋に備え付けてあったものだから、
「今村さんには何の責任もないのですが」と
不動産会社の人もひどく恐縮していた。

しかし、じつは僕はエアコン嫌いなので、
夏でも冬でも、ほとんどエアコンのスイッチを入れない。
よほど寒い時にたまにつけても30分以上は使わない。
絶対に「1日中」使うことなんてないのだ。

だから、きっとうちの室外機ではなく、
べつの部屋のだと思うんだ。あるいは、なにか別の音?
この話、どんな形で決着がつくのだろう。

すぐ隣りに、あり得ない音に悩まされて
少しずつ聴覚が狂わされていく人が住んでる、と思うと、
不謹慎と思いつつも、いろいろな想像をしてしまった。

「彼」か「彼女」か知らないけど、
一体、何の音を聞いてるのだろう。

そのうち、僕の耳にも聞こえるのかな。








スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/530-dab6abab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示