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2019-07

機械でできた将棋指しの話

今、NHKで将棋指しコンピュータの特集やってました。
先月ちょっと話題になった、
将棋指しコンピュータが米長名人に勝利したというニュース。
その出来事を詳しく解説した番組でした。

残念ながら僕は将棋にもコンピュータにも詳しくない。
プレステのウィニングイレンブンで試合に勝つと、
世界のソニーに勝った!とガッツポーズするのが関の山。

それでも、将棋指しコンピュータが名人を破る!という出来事には、
ちょっと興味をそそられます。

すごく根本的で素朴な疑問。
人間は、機械が人間を追い越して欲しいと願っているのか?
それとも機械が人間を追い越すことへの危惧を抱いてるのか?

かつてチェス用コンピュータ・ディープブルーが
チェスの世界的名人を破ったというニュースが報じられた時も、
それはいいことなのか、
あるいは、何かの不安や危険をはらんだ出来事なのか、
とても微妙な感覚を覚えました。

ディープブルーのニュースを聞いて、
たくさんの人が『2001年宇宙の旅』のHALのことを考えたはず。
そして、もちろん今回の将棋指しコンピュータのことにも、
まったく同じ、中途半端な疑問と不安が。

もしも人間の能力を完全に越えた機械が誕生したとしても、
それが間違いなく人間に善なるものをもたらす…とは限らない、
もしかしたら機械が人間を支配するかのような事態になるかも、
とも思いませんか? 絶対に無いとは言いきれないと思うのです。

……僕の考えすぎでしょうか?
SF小説の読みすぎ?
いえ、僕はSFはあまり読まないです。

それよりも思い出すのは、
ポーの短編小説『メルツェルの将棋指し』。

200年ほど前に発明されたメルツェルの将棋指しという自動人形。
自動人形というのは日本でも江戸時代に多く作られた
からくり人形みたいなものだが、
等身大で、人間と対面して将棋を指すことができたという。

メルツェルの将棋指しは実在の人形で、
実際、見世物として人気を集めたそうです。
今もそのレプリカがアメリカのどこかの博物館にあるとか。

見物人は、ただの人形が人間と将棋(西洋だからチェスですね)を差し、
しかも人間よりもはるかに強い、というので大喜びをしたらしい。

しかし、ポーの小説では、
「そんなものが存在するはずがない、何かのトリックにちがいない」
という考えのもと、将棋指し人形に隠されたトリックを暴く、
というストーリーになってます。

ただし、ポーもその人形を詳しく調べたわけではなく、
あくまでも「こんなトリックじゃないのか?」と予想しているだけ。
そこがちょっともどかしい。

ただ、この小説を読んで思うのは、
誰もが面白がっていた将棋指し人形を
あくまでも「トリックだ」と言い張ってその謎を解こうとしたポーも、
やはり、機械が人間を追い越すことに
なにやら漠然とした不安を抱いていたのではないだろうか?ということ。

「そんなはず、ないだろ!」というポーの叫びが聞こえてきそうです。

それが果たして人間の傲慢なのか、愚かさなのか、
そのへんはよくわかりません。

人間と機械の対決を、
ただ面白がっていられるうちはいいけど、
それがそのうち、何か思いがけない展開につながらないか、
そんな不安も、人間は忘れないほうがいいような気がします。

もしかしたら、こうしている今も、
機械は機械独自の進化を始め、
人間の知らない独自のDNAを作り出しているかもしれない。
絶対にそんなことはない、とは言い切れない気がします。

やっぱりSF小説の読みすぎですか?
いえ、本当にSFはあまり読まないんです。













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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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