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2019-05

春めくカフェのテラスで耳を澄ますと

ひと晩中ずっと雨の音がしていた。けっこう強く。
でも、この時期はひと雨ごとに春が近づく、
そう思うと、雨音もなんだか穏やかに聞こえる。

春のための地ならしをしているような雨音でした。
あるいは、春の命の息吹きのもとになる何かを、
地面にそっとしみこませているような、
…とでも申しましょうか。

昨日は暖かったので打ち合わせついでに
珍しくエクセルシオールのテラスでコーヒー。
ぼんやりしながら、まわりの人の会話を聞いてました。

前田司郎の戯曲をいくつか読んで、
この前、アトリエヘリコプターで舞台も観て、
で、なんとなく、人の話してるのを
あらためて意識して聞いてみたくなって。

当たり前のことだけど、
文法どおりにしゃべってる人なんて全然いない。

じゃあ、何を手がかりにして人は会話しているのか、
なんて思いながら聞いてると、
ただもう雰囲気というか気分というか、
ホワッとしたニュアンスとでもいうのか、
極端にいえば、まるで中世の連歌のような言葉の連なり。

へえ、そういうものですかね。

「ねえ、ほら、行ってきて」
「だったらさ、あれ?」
「あれ」
「いいの?」
「いいのいいの、大丈夫」

ベビーカーを押した若いお母さんと、そのお母さんの会話。
若いお母さんがベビーカーをお母さんに預けて、
店内にコーヒーを買いにいく直前のやりとり。

これを芝居にするには、どうすればいい?
このまま芝居になるのか?

話すほうもそうだけど、受け取るほうも、
意味ではなく、ニュアンスや気分を受け取る、みたいな。
そうじゃないか? 日本人の会話って。

なーんてことを考えながら、
ブラブラと大岡山の急な坂道を歩いて帰ってきました。
あ、これは昨日の話です。

日本語の会話を再現するのは、なかなか難しいですな。

昔、高校生の頃、僕は自分で短編ミステリーを書いては
まわりの人に「読んで読んで」と無理矢理読ませる、
とてもとても迷惑な少年でした。

その時、ある年長者に、
「きみの書く文章は翻訳小説の文章みたいだね」
と言われたのを覚えています。

言われてみれば確かに、そうだと思った。
当時の僕は創元推理文庫や早川書房の外国の小説ばかり読んでて、
知らないうちに翻訳調の文章が頭にすり込まれていたのだろう。

それ以来、本を読むときは、
「これは翻訳の文章だ」「これは純然たる日本語だ」
と頭のどこかで意識的に区別するのが習慣になりました。

日本語の文章を書きたいし、日本語のセリフを書きたい。
それは、今もずっと意識していることです。
でも、やっぱり難しいですなあ。
案外、日本語のことなんかなーんにもわかってないのでしょう。

今度の『栢子の結婚』は、
そんなことを、いつも以上に意識しながら書いています。

さて、ワークショップが1週間後に迫りました。
3月3日の部屋は広いので、まだ人数に余裕があります。
たくさんの御応募をお待ちしております!!







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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