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2019-05

ときどき運命論者になりたくなる

頭の中でゴーゴリの『鼻』と芥川龍之介の『鼻』がごっちゃになって、
カオスな『鼻』の世界が広がってたらしい。
電車の中でゴーゴリのを読みながら「あ、こんな話だっけ!」と驚愕。

しかしね、「落語調」の翻訳って、やっぱりいただけません。
ロシア人の八等書記官が「てやんでい!」なんて言うか?
光文社の「古典新訳文庫」はハズレが多いと思う。
もっとふつうの日本語を読ませてくれ。

ゴーゴリの『鼻』に首をかしげてた電車内で、ひとつの事件発生。
数日前に電車に乗ったときに見たおじさんが、
今日もすぐ近くにいるのだ。路線も時間帯も全然違うのに。

なぜ同じおじさんだとわかったかというと、
その人、スポーツ刈りを金髪に染めながらも頭頂部だけ黒いという、
ちょっと遠くから見ても「あ!」とわかるような目立つ頭をしてるのだ。
だから絶対に間違いなく同じおじさん。

こういうのって、どれくらいの確率なのだろう。
案外あることなのかな。
このおじさんみたいな珍しい髪の色じゃないから気づかないだけで、
電車なんかでは案外いつも同じ人が目の前にいたりするんだろうか。

でも通勤や通学の電車ならわかるけど、
全然そうじゃない電車でもそんなことが起こるんだね。
1200万人が住む東京でそんな偶然が起こる確率、
すごく興味あります。だれか計算して教えてください。

偶然といえば、僕には忘れられない出来事があります。

大学の卒業旅行でパリに行ったときのこと。
友達3人の超貧乏旅行で、帰国した時は3人ともげっそり痩せていたほど。

ホテルの予約もせず、二つ星くらいの汚いホテルで交渉して、
ともかく安く泊まろうと思ってカルチェラタンあたりをウロウロ。
その様子があまりにも不審げだったのか、
通りすがりの日本人のシスターが声をかけてきた。

「安いホテルなら、そのへんの通りがいいわよ」と親切に教えてくれて、
「私はあと2週間パリに滞在してるから、何か困ったらここに連絡して」
と自分の名前と滞在先の教会の電話番号を書いたメモを渡された。
そのメモは、僕のバッグの中にしまわれたのでした。

数日後、ぼくらはパリ市内で映画を観ていた。
フェリーニの新作。イタリア語の映画をフランス語字幕で観たので、
内容はさっぱりわからずチンプンカンプン。
そのせいではないが、椅子の下に置いてたバッグを盗まれたのです。

一応、警察に届けを出しにいったが、フランス語がわからないので、
僕もフランス人の警官もお互いにチンプンカンプン。あーやれやれ。
バッグは諦めることにしました。

ところが翌日ホテルに電話、
「あなたのバッグが見つかったわよ!」。
誰からの電話か、もうおわかりですね。

どうやら映画館でバッグを盗んだ泥棒は
金とカメラだけ抜き取ってバッグは映画館のゴミ箱へ捨てたらしい。
それを映画館の人が見つけて警察へ届けたのです。

警察は「ああ、あの日本人のバッグだな」と気づいたが、
チンプンカンプンの会話しかしてないので、
ぼくらの滞在先のホテルなんてわかってない。

ところが、そのバッグの中に唯一入っていたのが、
あのシスターの名前と滞在先の教会の電話番号を書いたメモ!!

警察は教会に電話してシスターと話した。
シスターは、自分がメモを渡した日本人3人を思い出し、
自分が教えた通りのホテルに1軒1軒電話をして
ぼくらを探し出してくれたのだ。感謝そして感動……。

いくつかの偶然が重なった出来事……と言いたいが、
じつは、本当の偶然は、ここからです。

ぼくがパリでそのシスターと直接会ったのは、
最初に出会ってホテルの場所を教えてもらった時の数分間だけ。
あとは電話で話しただけ。顔もうろ覚え。

ところがそれから1カ月後、ぼくはそのシスターに
丸ノ内線の四ツ谷駅で偶然に出会ったのだ。
その瞬間、シスターの顔がパッとよみがえってきた。
で、思わず声をかけたのです。

最初シスターはぼくが誰かわからなかった。
でもパリの出来事を説明したら思い出してくれました。
そして、やっぱりその偶然を心底驚いていました。

シスターは二子玉川の近くにあるカトリックの女子校の校長先生で、
ぼくは後日、学校に招待されました。

それは、きっと一生忘れることのできない偶然の出来事。

こんなことが起こる確率って、どれくらいなんだろう。
案外、よく起こるもの? そんなに珍しくない?
それとも、確率的にはかなり低い? 
あー、どうなんだろうな。

でも偶然て、なんかステキですよね。
むりやりその瞬間だけ運命論者になってしまう。

あのヘンな頭のおじさんだって、もしかしたら、
これから何かの形でぼくの人生に関わってくるのかも……
うーん、なんか微妙な気分。

でも、あと1回や2回くらいはバッタリ会いそうな気が
本当にしています。

長文、大変失礼いたしました。


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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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