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2019-05

ぼくたちは無限の詩情を繰り返している

ずっと探してた『バージニアウルフなんか怖くない』の映画版を
自由が丘のTSUTAYAで発見、意外と近くにあったね。

戯曲でしか読んだことなかったけど、映画は映画で凄い。
1秒だって目を離したくないと思った。
ふた組の夫婦が、ひたすらののしり合い、けなし合い、泣き叫ぶ、
ただそれだけの物語なのに、なぜこんなに惹かれるのだ?

エリザベス・テイラーって、やっぱり大女優なんだな。
当時32歳だったのに、インスタント食品をガンガン食べて太って、
酒で喉を焼いてガラガラ声にして、見事に52歳の女に扮してる。
その熱意がそのまま現れてるような演技。ぐわあああ。

監督はマイク・ニコルズ。これが映画監督としてのデビュー作。
これの次に、あの『卒業』を作ったのですね。
でもこっちのほうが面白い。

ああ、日比谷でやってる『おとなのけんか』も観なきゃね。
原作の戯曲はヤスミナ・レザです。

最近電車の中で読むのは黒川伊保子の本。
黒川さんは脳と言葉が専門の学者さんです。

男と女の違いを脳科学から読み説く読み物として面白いです。
利己的遺伝子の竹内久美子も面白いが、黒川氏のほうが実用的。

で、さっき読んでて「あ」と思ったのは、
男と女の話ではなくて、桜の話。季節がらですかねえ。

日本人が桜を愛する気持ちには、
「サクラ」という言葉の発音がおおいに関係している、という話。

黒川流にサクラという言葉を分析すると、
「サ」で口腔表層を拭ってさっぱりし、
「ク」で喉を閉じてそこに大きなエネルギーを集中させ、
「ラ」で舌の裏側を空気にさらしてクールダウンする。
その結果、「サクラ」と発音することで
清浄な空気を感じるのだそうな。

そう思って「サクラ」と発音すると、
ああ、うん、そう……かな?
確かにそんな気もする。

少なくとも「マクラ」や「イクラ」とは全然違う感じがします。

似たような(いや、全然似てないけど)ことを
じつは僕も考えていました。

それは「春夏秋冬」の発音に秘められた詩情です。
はる・なつ・あき・ふゆ という発音は見事に起承転結。

「はる」と「なつ」はどちらも「●A●U」という発音だから、
これはあきらかに「起」「承」と考えられる。
これが「あき」になると、
いきなり母音の「A」で始まり、しかも最後は「I」で終わる。
つまり、見事に「転」の役割を担っている。
それで最後の「ふゆ」は、「●U」がふたつ続く。
しかも口の開き方が最も小さい「U」である。
そこには、なんともいえない余韻が残る。

実際、「はる・なつ・あき・ふゆ」と発音してみると、
まるで、それだけで小さな詩のように思えます。

というか、この4つの言葉をいろいろな言い方をするだけで、
無限の詩情が生まれやしませんか?

これを読んでるあなた、
きっと今、「はる・なつ・あき・ふゆ」と
声に出してるでしょう。
……出してない?
出しましょうよ。

ニュースで桜の話題やってました。
気がつけば、もうそんな時期なんですね。









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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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