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2019-02

雨音が聞こえる夜にはこんなこと考えてみる。

『おとなのけんか』以来ずっと映画を観てないなあと思い、
『コントラクトキラー』を借りてきた。

本当は『マッチ工場の少女』が観たかったんだ。
『栢子の結婚』の稽古が佳境に入る前に観ておきたいなあと。

アキ・カウリスマキの映画では『マッチ工場の少女』が1番好きだ。
いや、じつはあまり観てないんだけどね、この監督の映画。
最近、新作が話題になってますね。

『マッチ工場の少女』はレンタル中。
ならば、『コントラクトキラー』でいいか。

人生に希望を失い自殺しようとするが、失敗ばかり。
プロの殺し屋に「自分を殺して」と依頼した男の話。
ところがその直後、男は酒場で出会った花売り女に恋をする。
男は死ぬのをやめようと思い、再び殺し屋のもとへ向かうが…

大変失礼なことを申しますが、
この酒場で出会った女は、
自殺しようとした男が自殺を思いとどまるほどのいい女、
というわけではない。そこがいいよね、この話。

全然関係ないけど、思い出したことがあります。
「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。
お年玉としてである。着物の布地は麻であった。
鼠色のこまかい縞目が折り込まれていた。これは夏に着る着物であろう。
夏までは生きていようと思った」という一文。
太宰治の『葉』の冒頭。

あ、べつに暗記していたわけではないです。
今、文庫本を引っ張り出して細かい部分をカンニングしました。

命の尊さよりも、むしろ、命の薄っぺらさが痛々しく伝わってくる文章。
着物一枚で生と死を行き来する命ってヤツ。

『コントラクトキラー』の主人公の命も、
酒場でバラを売っていた、あまりパッとしない女によって生かされる。

この、命というものの手触りが、なんともいいですな。

僕は、何のためなら「もう少し生き長らえてみよう」と思うだろう、
なんてことを、たまには真剣に考えてみてもいいんじゃないか?
明日も雨だそうだし。




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Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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