2017-04

昭和26年のショートケーキはホールで900円

穏やかな日曜日、こんな日は小津安二郎がいいな。
というわけで、朝から洗濯機を回しながら『麦秋』を観てました。

28歳のひとりの女性の結婚問題を巡って、
家族や友達や勤務先の人たちが複雑に絡まり合う話。

『栢子の結婚』のキャストのみんなもぜひどうぞ。
これ冗談ではなく、かなり真剣に言ってるからね。

まわりの友人や義姉からは、
「きれいな芝生のある田園調布の家で贅沢な結婚生活を送るだろう」
と思われている紀子という女性が、果たしてどんな結婚を選ぶのか。

美貌の原節子が夜遅くにひとりでお茶漬けを食べる場面。
家族が食卓を囲んで食事しながら「おいしいねえ」という場面。
食べる場面が印象的な映画ですね。

戦争の記憶がなまなましい時代、登場人物たちは戦争を知っている。
白いごはんを食べながらの「おいしいね」の言葉には、
妙なリアリティがこもっています。

それからショートケーキが2回出てくるのだけど、
銀座の1番おいしい店でホールで買ったのが900円。
紀子の義姉は「高い!」を何度も繰り返して食べようとしない。

『麦秋』は1951年(昭和26年)の映画だけど、
調べてみたら、この頃、公務員の初任給は約6500円、
白米10キロが620円、山手線の初乗りが10円。
してみると、900円のショートケーキは確かに高価。

そのショートケーキを映画の中でどう使っているか、
終わってから考えてみたら、うん、なるほど…て感じです。

それにしても、小津安二郎の映画には、
記憶についての印象的なセリフがよく出てくる気がします。

『麦秋』では、東山千栄子が、
「ついこの前のことはすぐ忘れるのに、遠い過去のことはよく覚えている」
みたいな意味のことを言う場面があって、映画全体に影を落としてます。

ところで、この家族は北鎌倉に住んでいるという設定で、
紀子は都心まで電車で通勤してるのだけど、
当時は、どれくらい時間がかかったのだろう。
しかも、しょっちゅう銀座に寄り道してるみたいだし。

えー、しつこいようですが、
『栢子の結婚』のキャストのみんな、よかったらぜひ。


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あら!
こういうのは稽古場で言ってください(笑)
今日、ゆりかちゃんに教えてもらって良かったです(笑)
麦秋。観てみます。


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穏やかな日曜日、こんな日は小津安二郎がいいな。というわけで、朝から洗濯機を回しながら『麦秋』を観てました。28歳のひとりの女性の結婚問題を巡って、家族や友達や勤務先の人たちが複雑に絡まり合う話。『栢子の結婚』のキャストのみんなもぜひどうぞ。これ冗談では...

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