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2019-05

家族、家族、そして家族

今夜は山田洋次監督の『東京家族』を試写会で鑑賞。

何も起こらない、物語ともいえない物語が、
いくつもいくつも重なっていく。

劇的な盛り上がりは無いが、
「ああ、このセリフと同じことを
自分もどこかで口にしたことがある」
という思いが、何度も何度もよぎった。

映画が始まってすぐに、
これは小津安二郎『東京物語』の
リメイクだかオマージュだかの映画だということに気づく。

冒頭、上京してきた両親を東京見物に連れ出す計画が、
長男(医者)の仕事のために中止になるくだりなど、
『東京物語』とほとんど重なる場面もあります。

唯一『東京物語』と異なるのは、
次男とその恋人のエピソード。
これが山田洋次らしさ、なのかな。
それとも、「現代っぽさ」ということなのかな。

『東京家族』を観ながら、もうひとつ考えていたのは、
山田洋次の古い映画『家族』。

1970年の映画で、九州の田舎の家族が、
新天地を求めて北海道まで北上する様子を描いたロードムービー。

旅の途中で赤ん坊や老父が死んだりして、
けっこうシビアな内容だった。
途中、デパートの食堂でカレーライスを食べる家族の姿が、
「いかにも」という感じで印象的だったな。

その映画に登場する家族は、
時代だの運命だの悲運だのと戦いながら、
自分たちの生活を開拓していこうとする。
かなりドラマチックな家族たち。

しかし、2013年に山田洋次が描く家族は、
何も起こらない、起こさない、戦わない、
むしろ、ただ淡々としている。

1970年と2013年。
その時間差ということなのかな。

それとも、気がつけば日本人は今や、
語るべきドラマ、語るべき物語、
大きな感情のうねりというものを
持てなくなってしまったのだろうか。

いや、もちろん、どちらがいいとか悪いとか、
そういう問題ではありません。

2013年という時代に生きる家族、
一体どんな家族なのだろう。
そんなことを考えるきっかけとなった、
今夜の映画。



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取り留めもなく、すみません

何も起こらない、物語ともいえない物語がいくつもいくつも重なっていく

まさに、日常ですね。
一つの出来事だけで判断される訳じゃなくて、色々な要因あって事が起きて…



70年代には、決められた生活からの脱却とか(憶測ですみません)、単調より劇的なものが求められ、夢みていて
2013年現代は、多種多様に選択できて刺激的で、自由であるが故の我が儘や孤独があって、
当たり前のようにあった人との繋がりの再確認、有り難さが警鐘、もしくは求められているんでしょうか。

どちらの時代にしても、日常のようで非日常的なもの、非日常化してしまったものへの、夢だったり願いが詰まっているんでしょうね。


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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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