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2019-05

わずか数分の会話でしたが

昨日は公演最終日、
そして今日はもう、日常生活に押し流されている。

ああ、これが人生! これが暮らし!

ケプラーの役者たちは何してるんだろう、何を考えてるんだろう、
などと思いながら、溜まっていた仕事に追われていました。

僕は、公演の間に今回お世話になった音響さんと交わした会話を、何度も思い返していました。
……『ケプラーの憂鬱』は、なんだか小劇団ブームといわれた時代の匂いがしますね。
そんな意味のことを言われたのです。僕には、とても嬉しい言葉でした。

野田秀樹の「夢の遊眠社」の名前が世間に浸透し始めた頃から
僕の小劇団ブームの記憶は始まります。
ある世代以上の人にとっては、懐かしい劇団名の数々。
遊機械/全自動シアター、青い鳥、蟷螂、ブリキの自発団、第三エロチカ……
今では信じられない話ですが、「小劇団ガイドマップ」的な本も多く出版され、
そういうものを持った若者(この言葉もなんだかセピアっぽい)が下北沢なんかを歩く。
1980年頃に始まった小劇団ブームは、
それ以前のアングラ芝居全盛の時代、さらには社会運動・学生運動が盛んな時代、
そんな「過去」を引きずりながら、新しいサブカルとしてギラギラしていました。

僕も、評判の劇団を観たくて「ガイドマップ」的なものを持って劇場を回った。
唐十郎のテント公演はずっと前からやっていたけど、僕が出会ったのはその頃。
やがて善人会議とか大人計画とか異色の劇団が登場して、すごくにぎやかだった。

今も小劇団はたくさん生まれています。
しかしあの小劇団ブームとは、かなり違う。
2010年現在の小劇団にはない「何か」を、あの頃の小劇団はガッチリ背負っていました。
「何かをやらなきゃ。何かを語らなきゃ。何かを、何かを、何かを」
そういう形のない使命感みたいなものがあったんだろうか。
それは、小劇団だけではなく、時代そのものがそうだったのかも知れません。

もちろん、その頃と今現在とを比べる気はない。
どっちがいいとか悪いとかの話ではない。
「あの頃はよかった」なんて懐古趣味にひたる気もありません。
今には今の小劇団の在り方があります。

でももしかしたら、僕にとっての小劇団というのは、
1980年頃のあのギラギラとして人間臭い時代の中でグチャグチャだった
あのあたりのままで、どこかに引っかかっているのかもしれない。

そしてそれを感じてくれた人がいたことのが、なんだか嬉しかったのです。
音響さんと交わした、上演の合間の短い会話、
その中でお互いが何度か口にした「小劇団」という言葉には、
きっと同じ匂い、同じ思いがこもっていたはずです。

そんな人と出会うのも、公演の面白さです。

さて、焼きそばを作って夕食にしよう。
それから仕事の続き。
まじめにライターやります。



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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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