FC2ブログ

2019-05

非日常的交差点

はてさて、公演が終わって仕事と格闘してます。
あ、そうだ、僕はフリーライターだったんだね。はは。

今週末は、唯一やってる某雑誌の連載の締切り。
これは自分で持ちかけた企画だけに楽しい仕事です。
東京の実在する地名・場所が出てくるミステリーを毎回1冊取り上げて、
その地名・場所まで実際に足を運び、それをもとに文章を書く。

今回は……って書いちゃマズイな、まだ雑誌が出てない、いや、原稿もこれから。
たとえば江戸川乱歩のある小説に出てきた浅草吾妻橋近くの水上バス発着所とか、
夏樹静子のある小説に出てきた東京駅構内とか、
鮎川哲也のある小説に出てきた上野駅近くの橋とか……

もちろん、場所は実在しても、描かれている事件はフィクション、あくまでも物語。
それでも、その場所に行って自分の足で立つと、
なんだか不思議な気分になる。

あの作家も、きっと同じようにこの場所に立ち、この風景を眺め、
そして、あのミステリーのあの場面のことをアレコレ考えたんだろうな。
あの作家は、何時頃ここに立ったのだろう。
どのあたりから眺めたのだろう、
視線をどんなふうに動かしたのだろう……

それはまるで、作家の頭の中にもぐりこんで、
その創造力の足跡をたどっていくような体験。

古い小説もよく取り上げるので、
今は地名が変わっている場所もあります。
もちろん、周囲の風景が完全に変わってしまった場所も多い。
それはそれで、また面白い。その時間差、というか、時代差を、
その風景の中に見つけ出す。
それは、小さな脳内探検であり、小さなタイムトラベルでもある。

今回取り上げるのも、一見、何の変哲もない交差点。
でも、その場所から、日本のミステリー史に残る傑作ミステリーが生まれたと思うと、
その日常的な風景のどこかに、非日常へのいびつな裂け目がひそんでるようで、
もう本当に、摩訶不思議な光景に変貌するのです。

日常と非日常は、すぐ近くでせめぎ合ってる、
そのことを実感するひととき。

これで厳しい締切りさえなければ、
本当に楽しい仕事なのだけどね……




スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://theaternautilus.blog99.fc2.com/tb.php/87-7b80346d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示