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2019-05

血は立ったまま眠っている

さて今夜はスカッとした気分だ。
全身の血液を全部新しいのに入れ替えたような爽快感。
ためしに、どこでもいいから切ってくれ。
真っ赤なやつがあふれてくるはずだから。

シアターコクーンで蜷川幸雄の芝居。
寺山修司の処女戯曲『血は立ったまま眠っている』。

この混沌、この無秩序、この破綻、
でも美しい、醜悪なものの、その向こう側にある美しさ。
まばたきする一瞬さえも惜しんで舞台を観ていた。そして聞いていた。
散文詩のような台詞の洪水。痺れる。酔う。

1960年安保闘争にからんで書かれた戯曲らしい。
「政治の季節」ってやつだ。
時代と、その時代に居合わせた人間の身体の奥から絞り出される言葉。

確かに、特定の時代性のある戯曲ではある。
しかし今日の舞台は、それが普遍的なものであることを証明している。
人間だ、人間を描こう、血の出る人間、叩けば痛がり、悩み、苦しむ、人間。

あと、台詞と役者の身体との距離感、
役者が台詞を噛み砕き、飲み込み、自分の血肉とするとは一体どういうことなのか、
それをたっぷり思い知らされた。

良い気分で帰ってきました。

パンフレット読んでたら映画監督篠田正浩の文章がのっている。
寺山修司は映画の脚本もいくつか書いているけど、
篠田正浩監督・寺山修司脚本『涙を獅子のたてがみに』という映画は、
場末の古い映画館で観て、全身がゾクゾクしたのを覚えてる。
そういえば、今夜の興奮は、あの時の感触に似てる気がする。

早く、次の稽古やりたいね。
血の通った人間たちの中に身を置きたい。




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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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