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2019-02

見えなかったものを見たくて

久しぶりに書きます。

この週末は、長時間稽古の合間に、
遅れていた仕事の原稿を必死で仕上げて、
綱渡りを無事に渡り終えた気分で拍手喝采。

昨夜は1杯だけ飲んで、
ちょっと身軽な気持ちで目黒通りを自転車漕いでた。

本番までちょうど1カ月、
『新任教師』の全体像がボンヤリ見えてきたあたりです。

とはいえ、これは演出している僕の話。
役者たちは多分いろいろ。

何かが見えてきた人もいるだろうけど、
まだボンヤリしか見えてない役者、
道さえも探し出せない役者、
つかみかけたものを逃がしてしまった役者、
完全に立ち往生している役者、などなど。

一斉に並んでザクザク走れるわけではない、
進み方は役者によって異なるのは当然。折り込み済み。

もちろん、無理にみんなの歩調を揃える必要もない、
本番1カ月前にペースをつかむ役者もいれば、
小屋入り前日になってようやくひらめく役者もいる、
それが人間というものでしょう。

大切なことは、
そうやっていろんな人間がいることを大前提にして、
みんなそれぞれ自分がやるべきことをやり続けること。
「なんとかしよう」という意志を持ち続けること。

僕の仕事は、役者たちのそんな前向きな意欲を、
少しでも実りのあるものにするための手助けをすること、
そう思っています。

稽古期間中は、電車の中や寝る前の布団の中で、よく、
蜷川幸雄の『演出術』と、
山崎務の『俳優のノート』を開きます。

熱心に読むこともあるけど、ほとんどそうではなくて、
たまたま開いたページにある文章を拾い読みする。
気持ちの均衡を保つための精神安定剤みたいなもの。

今回はとくに『俳優のノート』に救われています。

山崎務自身の役作りの苦しみは興味深いのですが、
それ以上に熱心に読んでしまうのは、
山崎務の目から見た演出家の存在。
苦悩する役者の目に映った演出家の姿。

鵜山仁という演出家がどんな人か詳しく知らないのですが、
苦悩する役者たちをおおらかに受けとめる存在。

苦しむ役者を見て、
その苦しみから解放してあげるというよりは、
苦しんでる役者を大きく受けとめて、少しだけ手を添え、
そこから何かが生まれるのを見守っているかのような存在。

でしゃばるわけではなく、
かといって、影が薄いわけではなく、
芝居の全体像をつねに把握し、
大きな視点から役者たちが進んでいくのを見つめている存在。

なんかうまく言えませんが、
山崎務の目を通した演出家は、
そんなような人物です。

じつは僕は、稽古中にけっこう感情的になります。
ふだんからそうですが、気持ちが高ぶると、
それが態度や声や言葉に出てしまう。
声を荒げたり、喧嘩ごしになることもある。

それが間違っているというわけではないが、
そうすることで得るものもある代わりに、
何かを失ってしまうこともある。
何かが欠落することがある。

しかし今回は、稽古場で、
気持ちの均衡を保つように心がけています。

そうすることがいい、と思っているわけではない。
それが正しいと思っているわけでもない。

しかし、そうすることで、何が見えてくるのか、
いつもと違う視点に立つことで、
自然と見えてくるものを見てみたい、
そんな気持ちです。

今回の脚本は、今までのノーチラスとは少し違います。
そして、演出の在り方も、今までとは少し違います。

それがどんな本番につながっていくのか、
自分でもとても楽しみです。

そんなわけで、
本番までの残り1カ月が始まりました







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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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