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2019-05

『長いお別れ』のこと

NHKが『ロング・グッドバイ』をドラマ化しましたね。
昨夜初めて観ました、ドラマのほうは4回目(全5回)。

じつは、どちらかといえばチャンドラーよりも
ロス・マクドナルドのほうが好みです。
『さむけ』や『ウィチャリー家の女』で夢中になった。

しかし映像化するなら、やっぱりチャンドラー。
しかも今回は浅野忠信がフィリップ・マーロウ。
やっぱり興味は湧きます。で、4回目でやっと。

あー、浅野忠信はいい役者だねえ。
フィリップ・マーロウはロバート・ミッチャムと思っていたが、
いや、浅野忠信もイケます。

1回目からちゃんと観ればよかった。
連続ドラマを観るのは苦手なので、つい敬遠していたのです。

ところで、数年前から村上春樹がチャンドラーの小説を翻訳してます。
もちろん『ロンググッドバイ』も。
でも、どうしても読む気になれない。

多くの人にとってチャンドラーは、
清水俊二の翻訳だというのが定番ではなかろうか?
というのは、僕の勝手な思い込みなのかな。

清水俊二という人のことはよく知りません。
というか、翻訳家としてではなく、
洋画の日本語字幕を作る人としてのほうが馴染み深い。
まあ、本職もそっちみたいだし。

そして、そんな清水俊二が翻訳したチャンドラーは、
やはりどこかに「映画」の匂いがする。
映像が目に浮かんでくるような翻訳なのです。

村上春樹が翻訳したチャンドラーは、
パラパラと立ち読みしたくらいですが、
やっぱりそれは文学者が翻訳したチャンドラー。
清水俊二とはずいぶん異なる言葉へのこだわりが。

それがいいとか悪いとかの話ではない。
村上春樹の仕事もちゃんと評価されるべきでしょう。
ただ、日本語字幕の制作者・清水俊二の翻訳を知っていると、
文学者・村上春樹の翻訳は「スマートではない」。

あー、なんと単純な感想。
でも、究極のところ、そこなんじゃないかと思う。

清水俊二の翻訳のほうがスンナリ頭に入ってくるのは、
その文体に、期待している通りのスマートさとセンスがあるから。

「ハードボイルドとは、つまり『文体』である」
と言われますが、いや、この言葉はもっと深い意味を含んでいますが、
そこまで深い意味を考えなくても、
清水俊二の翻訳には、文体としての安堵感がある。

まあ、へんな言い方ですが、NHKの今回のドラマは、
同じ『ロンググッドバイ』でも、村上春樹訳ではなく
清水俊二訳のほうを元ネタにしたかのような空気が漂ってます。

来週は最終回らしい。
土曜日のその時間、家にいればいいけどな。

ところで、久しぶりに『ロンググッドバイ』を読みたくて
部屋の中を探してみたけど、ああ、やっぱり見つからない。
一体どうなってるんだか、この部屋は。


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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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