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2019-09

まるで何かの「印」のように

部屋を出て、オートロックの扉をあけると、
階段を降りて外に出るようになってる。

その階段の、上から4段目の、右の端っこに、
1円玉が1個、落ちている。
もう半年くらい前から。ずっと。ずーーーっと。

誰も気づかないのか、気づいても無視してるのか、
10円玉なら、100円玉、500円玉なら……
でも、1円玉。だから、半年もの間、そこにあるのか。

何だろうな、これって。
消費税8%になって、1円玉の出番は増えたはず。
それでも、その1円玉は、
まるでそこに貼りついているかのよう。

いつまでそこにあるんだろう、
なんかもう、世界が滅んでもここにいる、
くらいの気概さえ漂ってくる、その1円玉。

階段を降りるたびに、視界の隅に確かめる。
「あ、まだ、ある」

雨の日も「あ、まだ、ある」。
喧嘩した日も「あ、まだ、ある」。
何かに迷ってる日も「あ、まだ、ある」。

なんかさ、まるで、なにかを伝えようとしてるみたいな、
そんな気さえしてくるんだよ。

いや、でも、やっぱり、ただの1円玉。

もしかしたら、それは「ここが世界の中心です」
という目印なのかも。

ちょっとそんな気がする。

世界よ、
いつかその1円玉に吸い取られて、
消えてしまえ。





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プロフィール

TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
web.fc2.com/index.html

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