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2019-02

ある張り紙

前回のブログ、へんなところで終わってますね。
本当は続きを書きたかったのだけど、
何かの理由で中断して、そのま放置してました。

ブレッソンの『少女ムシェット』には、小さな思い出があります。
まだ東京に来て間もないころ、古いヨーロッパ映画の魅力を知って、
いろんな名画座を回っていた時期のこと。
池袋の文芸地下という古い名画座にハガキを出したことがあります。

どうしても観たいけど、なかなか上映されない映画、
『少女ムシェット』と、ルイ・マルの『鬼火』をやってもらえませんか?
というお願いのハガキ。

返事は来なかったけど、
それから1カ月くらい後になって、池袋文芸地下では
『少女ムシェット』と『鬼火』の2本立てを上映したのです!

偶然なのか、それともハガキのせいなのか?
今だにわかりません。
でも、きっとどこの誰とも知らない映画好きな青年の願いを聞いてやろうと、
映画館の人がわざわざ上映してくれたんだと、今は信じています。

この出来事を思い出したのには、理由があります。
都立大学の駅前に、あるレンタルビデオ店があります。
その店の表に、少し前から大きな張り紙がしてあります。

そこに書かれているのは、
「最近はPCやスマホで簡単に映画が観れる時代になった。
しかし、本来、映画とはそんなものではない。
映画の本当のすばらしさを、今こそ取り戻そう!」
みたいな、映画というものへ熱い思い、意気込み。

そのレンタル店のことは、時々このブログでも取り上げますが、
古い映画、名もなき監督たちの映画、隠れた名作などを
きちんと取り揃えている稀有な店です。

タルコフスキーも、ブレッソンも、アキ・カウリスマキも、
きちんとした品揃え。とてもあっぱれな店なのです。
とはいえ、半分以上はDVDではなくて、ビデオテープ。
だから、観たくても観れない人も大勢いるでしょう。

だいいち、それらのビデオテープ、
古くなって傷んで見られなくなったらどうするんだろう、
もうどこの会社もDVDとして作り直すなんてしないだろうし…

それでもその店は、そんな張り紙をしてまで、
映画の復権を訴えている、なんか、いいな。

その張り紙を見て、かつて池袋文芸地下で観た2本立てを
思い出したというわけです。

時代の流れとは関係なく、それに押し流されるでもなく、
自分の尺度で映画と向き合っている、その姿勢に、
なんだかとても幸せな気持ちになります。

都立大学駅前の「レンタル日の丸」です。
古い名画、どこにも無い名画を観たくなったら、ぜひどうぞ。

こういう場合、具体的な店名を出しても、問題ないですよね。
大丈夫かな?

ともかく、このレンタル店の張り紙を見たとき、
かつて池袋文芸地下という古い映画館で観た
2本の映画のことを思い出したのです。

何かを本当に好きになる、大切にするというのは、
どういうことなんだろう……なんてことも、少し考えました。








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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
http://theaternautilus.
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