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2019-02

しをん&安吾2本立て

12月っぽく慌ただしい1週間でした。
ちょっと寡黙になりそうなくらいいろんなことがあって。
今日は珍しく、本当に珍しく昼まで布団の中にいて、
借りてきたDVDを観てました。ボケーッとしたくて。

『舟を編む』は観るつもりじゃなかったけど、
出版社の編集部が舞台で、しかも辞書を作る話だと聞いて、
日本文学科卒業&出版業界で働く身としては観ておくか、くらいの気持ちで。

書籍編集部の空気がなかなかうまく表現されていて、
覚えのある会話もたくさん聞けて、「あー、あるある」な気分満喫。

辞書を作る話なので14年間という時間が流れるのだけど、
まだ携帯もPCも一般的でなかった時代に始まり、
PCで本を作る時代に辞書が完成する、その業界の変遷の様子も楽しい。
同じ時代に出版社にいた人たちと昔話をしたくなりました。

ぼくは辞書の編集の経験はないけれど、
学参ものや教育関係の出版物の仕事が多かったので、
ラスト近くに発覚したミスを穴埋めする作業の大変さも、しみじみわかります。
そしてなぜか、大日本印刷の出張校正室のことなど思い出していました。

出版とは、とどのつまり言葉を相手にする仕事。
言葉はナマモノ、生きている。
だから、人間の手を通すしかない世界なのでしょう。
出版業界はすっかり傾きつつあるけど、
本を作りだすという行為は、永遠に続くのだと思います。

それにしても、最近の映画って、不思議なことに、
ラストの5分くらいについて「うーん」と首をかしげなくなる、
そういうのが多い気がする。何なんだろう、このモヤモヤ感。
こぎれいにまとめようとする意図が丸見えで鼻白むのか?
ラスト5分前でやめときゃいいのに、と思ってしまう、このモヤモヤ感。

その前に観たのは『不連続殺人事件』。
坂口安吾のミステリーを曽根中生が監督した作品。
僕が東京に来た頃、池袋の文芸地下かなんかで観た。
あまり評価されてないけど、僕はとても面白かった。
たまたま近所のTSUTAYAで見つけたのでした。

考えてみれば、僕が東京に来たころは、名画座で、
ATG作品やイタリアのネオ・リアリズムや松竹ヌーベルバーグなど、
今はなかなか観られない映画がよく上映されていた時代。
大島渚の『儀式』や、篠田正浩の『乾いた花』なんか観たもんなあ。
今思えば、かなり恵まれてました。

『不連続殺人事件』の原作は、推理小説好きの安吾が書いた名作。
あの安吾でなければ書けないって感じの退廃的ミステリー。
この映画の中で、ある人物が演じる、ある人物の描き方が
じつはとても好きなのですが、ネタバレになるから書けない……あああ。

曽根中生はかなり坂口安吾が好きだったらしく、
その思いがよく伝わってきます。
また観ることができて、よかった。

さて。

そんなわけで、外は雨。
いろんなことが起こり、人生はめぐる。めぐる。めぐる。
結局はこうなったのか、思いがけない展開だったけどな。

ともかく、前に進みます。
雨の音は、静かなマーチ。








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TheaterNautilus

Author:TheaterNautilus
シアターノーチラス代表・今村幸市によるブログです。
年に2~3回、オリジナルの脚本による芝居を上演しています。
次回公演は2018年10月です。
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